15部分:天馬と魔道師と盗賊とその六
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た。
「サフィっていうターラのプリーストさんだ。何でもその街を治めてるリノアンって人がフリージの支配から抜け出したいらしくてその人の頼みで街を救けてくれる勢力を探しているらしい。それでエーヴェルさんが言うにはティルナノグのセリス公子が良いらしくてそこへ行く事になった」
井戸の水を飲みリフィスは続ける。
「けど女の人一人じゃ危ないだろ。それに俺はこの人のけなげさに打たれた。たすけてやろうと思ったのよ。一緒に解放軍に行こうと決心したのさ。なあシヴァ」
「うむ」
シヴァは無表情で頷く。
「そして俺は波が荒くなる前にレンスターを発ってイザークへ行こうとしたらエーヴェルさんに呼び止められた。娘も連れて行ってくれってな。それがこの娘マリータだ」
左の少女を指差した。
「何でも子供の頃奴隷商人に売られそうになっていたのをエーヴェルさんが助けて養子にしたらしい。解放軍に一緒に連れて行って欲しいってな。俺は断った。世話になっているエーヴェルさんの娘さんにもしもの事があっちゃいけねえからな。けどエーヴェルさんのたっての頼みでマリータを連れて行く事にした。それで大急ぎでイザークへ帰ってたら今倒れてるこいつ等が村に襲い掛かるとおだったんでやっつけたらそこにあんた達が来たってわけだ」
「へえ、そうだったの」
「そういう事だ」
フィーは言葉を返した。
「であんた達はどうする?俺達は残った子分達を集めてそれから行くが」
「私達はすぐに行くつもりですが」
ミーシャが応えた。
「そうか、解放軍は今ガネーシャにいるからな。そっちへ向かえよ」
「有り難うございます」
アズベルが礼を言った。
「じゃあ元気でな。解放軍でまた会おう」
ガネーシャの方へ飛んで行く一行にリフィス達は手を振った。一行もそれに返した。
村が山に隠れ見えなくなった頃フェミナがフィーに話し掛けた。
「ねえ、あのリフィスって人の話だけど・・・・・・」
「何?」
「絶対嘘は入ってるわよ」
「サフィさん見る眼違ってたじゃない。多分あの人の事好きなのよ」
鋭い。
「あの人の側にずっといたくて解放軍に入るんだと思うな」
「ふうん、けどいんじゃない?」
フィーは素っ気無く言った。
「根は悪い人じゃないみたいだしね。それに戦力になるんだったら問題無いわよ」
「うーーん、それもそうね」
「行きましょう」
「ええ」
一行は翼の速度を速めた。その下には緑の山々と碧い湖や河が広がっていた。
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