第百二十四話
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に向かい――こうして、ユウキと対面した。力を失ったユウキの表情を見ないようにしながら、大きな木の下に二人で歩いていく。
「ボク……この世界にいた証が欲しかったんだ……」
隣に座るユウキがとつとつと語りだした。その言葉に相槌を打ちながら、俺はユウキとともに、どこまでも広がる空を見上げていた。自由自在に飛翔できる、あの空を、
「ずっと……ずっと考えてた。死ぬために生まれてきたボクが……この世界に存在する意味はなんだろう……って。何を生み出すことも与えることもせず……たくさんの薬や機械を無駄遣いして……周りの人たちを困らせて……自分も悩み苦しんで……その果てにただ消えるだけなら……今この瞬間にいなくなったほうがいい……何度も、何度もそう思った……なんで……ボクは……生きてるんだろう…って……ずっと……」
友人となったセブンと戦う原因ともなった、スリーピング・ナイツのみでのフロアボス攻略も、そんな彼女なりの生きた証の証明法だったのだろう。この世界に自分たちがいた証に、パーティー全員の名前を残す――奇しくも、同じことをかつての仲間は考えていたらしい。
「そしたら……クロービスの幽霊がさ、ボクに聞いたんだ。『お姉ちゃんは、何か目的があって生きてるの?』……ってさ」
かつて、スリーピング・ナイツで戦っていた仲間だという、クロービス。彼はかつてスリーピング・ナイツが戦って――生きていたVRMMOに、自分たちの活動記録を残したプログラムと、自らの名を冠したAIを遺していた。
「その言葉でさ、ずっと探してた答え……見つかったよ。意味なんて、なくていいんだって……ボクだけじゃなく、みんな、生きてる意味なんて、生きてる間は分かんないんだって……」
「……ユウキ。ユウキがいてくれたおかげで、ルクスはグウェンとまた仲良くなれた。レインとセブンは姉妹として再会出来て……俺も、俺だって!」
一度でも口にしてしまえば、もう溢れ出してしまう。デュエル中にずっと抱いていた気持ちが、止まることはなく流出していき、言葉としての意味すらなくなっていく。
「こんな展開……認めないぞ……認めてやるか!」
「……ふふ。ありがと……ボクの最期のデュエルに、何も言わずに付き合ってくれる、優しい……優しい、見栄っ張り」
そう言って、ユウキは立ち上がった。彼女がどんな表情をしているのか、怖くて恐ろしくて見れなかったが、向かい合ったその表情は、朗らかに笑っていた。今すぐ泣き出したいぐらいに怖いだろうに、ユウキはもう一度しっかりと片手剣を握りしめた。
「fylla heill austr……」
デュエルで傷ついていたユウキと俺の傷を、一応程度に取得していたヒールの魔法で回復する。……もちろんヒールで回復出来るのは、アバターの
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