第百二十四話
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誇るソードスキル。
「…………」
それに対抗するためには、俺の力だけでは足りない。システムアシストを借りなくては、ユウキの速度にはついて来れないだろう。そしてソードスキルを使えない俺が、システムアシストを得ることが出来るのは、こちらも同様にOSSしかない。
日本刀《銀ノ月》を突きの態勢で構え。剣先にユウキの胸当てを捉えると、こちらもいつでも四連撃OSS《無明剣》を発動する準備が整った。かなりの距離が離れてはいたが、俺たちにとっては一足飛びの距離であり、お互いにOSSを構えて睨み合いとなった。
どちらが先にOSSの初撃を当てるか、相手の隙を狙いあってジリジリと距離を詰める。まるで永遠に続くかのような一瞬であり、事実、この瞬間は当人たちにとっては永遠となる。
「来ないなら……こっちから行くよ!」
その瞬間を破ったのはユウキだった。姿勢を低くした神速のダッシュに、今度はその位置を見失わないように、突きの態勢を維持しながら迎え撃つ。こちらのOSS《無明剣》は、音速の突きを三段、同時に別の場所に放った後、トドメの横斬りを放つOSS。同時に放たれる三段突きに対しては、流石のユウキもOSSのシステムアシストに身体が縛られている状態で、三段突き全てを避けることは出来ない。
しかし、その発動より先にユウキのOSS《マザーズ・ロザリオ》が発動したならば、対して十一連撃を防ぐ手段は俺にはない。それにOSS《マザーズ・ロザリオ》が発動してからでは、こちらがOSSを打つ暇などありはしないだろう。
よってこの勝負は、どちらが先に自らが心血を注いで作り出したOSSを、相手に炸裂させるかの勝負。ただしタイミングを間違えて空撃ちしてしまえば、それは相手に多大な隙を晒すことになる。
「やぁぁぁぁぁっ!
「っ――!」
ユウキが裂帛の気合いとともに、こちらに近づいてくる。OSS《無明剣》の必殺の射程まで、あと五、四、三、二歩――
「ユウキ!」
――結論から言ってしまえば、OSS《無明剣》がユウキに届くことはなかった。だが、ユウキのOSS《マザーズ・ロザリオ》が、俺に届くことも同様になかった。
「あ、れ……?」
……そしてその瞬間は、この先、永遠に来ることはないだろう。
「ショウキ……? ショウキ……どこ……?」
「……ここ、だよ……」
「そっか……あったかいね」
ユウキは疾走の途中に、まるで操り人形が糸を失ったように、突如として力を失った。剣を握っている力すら維持することが出来ずに、愛刀を取り落として倒れ伏すのを、急いで日本刀《銀ノ月》を投げ捨てた俺が抱き留めた。
「もう時間なんだね……最期ぐらい、もうちょっと時間をちょうだい、神様……」
耳元でそうして呟
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