来栖川当主
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トホギ、コトホギ』
『コンレイ、マエイワイ』
『コドモデキル、トモダチフエル』
芹香さんのお友達のように、実体がない人達と違い、普通は「悪鬼羅刹」とか「天狗」「妖怪」と呼ばれる当主様のお友達が、楽しそうに部屋に入り、客人の前にご馳走を並べて行った。
『ヒュオオオオン、ファアアアアアアッ!』
庭の大池からは、「龍神様」と思われる大きなお友達が、嬉しそうに叫びながら、天に向かって勢い良く飛んで行った。
頭の中のブレーカを落とした浩之と琴音は、顔を見合わせて「これ、夢だよな」「ええ、夢ですよね」とアイコンタクトを取って、意識のブレーカも遮断しようとした。
「え? 「今日は目出度い、芹香の「婿候補」もやっと一人見つかったし、綾香の代わりも見つかった。琴音さん、無理強いはせんが、その名前にも愛着がなければ、今日から来栖川綾香を名乗りなさい」ですか?」
コクコク
何か来栖川的に必要な才能が欠落して「いらん子」扱いの哀れな綾香だった。
ドンドンドンドンッ!
そこで誰かが廊下を走る音が聞こえ、部屋の入口付近から「中を見ないで済む位置」に座ったセバスチャンの声が聞こえた。
「ご当主様、ご歓談中失礼します。藤田様、どうかお助け下さいっ!」
「ヘ?」
ベリーグッドタイミングで、自分をここから引き出してくれるセバスチャンの声に救われ、泡を吹いて失禁しながら失神するのをやめて、その話に乗ろうとする。
「どうしたんだ、俺で役に立つならすぐに行こう」
「おお、有り難いお言葉。では今からすぐにでも綾香様の所へお連れします、どうか哀れな綾香様をお救い下さいっ」
多分、綾香が目を覚ましてしまったらしく、鎮静剤を飲ませようにも注射を打とうにも、「薬」「薬のビン」「白衣を着た人」を見た途端暴れだして、エクストリームで得た格闘技術の粋を駆使して撃退し、「白衣を着た人」に取り囲まれると、全員を打撃技で始末してしまうに違いない。
「大変だ、すぐ行こう」
部屋を出て走っていこうとした浩之を、琴音が引き止めた。腕力、超能力、メイドロボ、などを駆使して、眼力、テレパシー、小声で「藤田さん、私をこんな恐ろしい所に一人で置いていくつもりですか?」と問いかけていた。
「え? ああ、琴音ちゃんも一緒に」
そう言うと、琴音も足早に部屋を出ようとしたが、セバスチャンに止められる。
「いえ、姫川様はご遠慮ください。綾香様は「まだあの子の手が私の心臓を掴んでる!」と仰っておられますので」
自分の力が通じなかった「お友達」同様、超能力少女の力にも対抗できず、無残に敗退したのを忘れていなかった綾香。
「え? 「綾香ちゃんかわいそう、お見舞いに行きましょう」だって?」
コクコク
もしそんなことをすれば、綾香は自殺してしまう。琴音の超能力には抗えず窓
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