来栖川当主
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ロボットまで使役して動かすテロを起こした少女。
普通なら警察に直送するか、来栖川で拘束して拷問しても良いはずだが、今も娑婆で大手を振って歩いている方がおかしい琴音。
「お姉さまのお祖父様? 「優しい方です、心配しないで来てください」ですって?」
朝の雑踏でも芹香の声が聴こえる浩之、同じく、お友達が泣き叫び、周囲を飛んでいる状況でも芹香と会話ができた琴音。その二人と芹香は、来栖川の現当主の部屋に引き出され、座布団に座って待たされた。
「来栖川家ご当主様、ご入室です!」
秘書か通訳?と思われる人物が御簾の外で当主の入室を告げ、浩之たちには頭を下げるようにジェスチャーをしたので頭を下げた。
「え?「君たちが孫の言っていた「お友達」かね? 今日はよく来てくれた」ですか?」
コクコク
御簾が掛かった向こうに座った当主に話し掛けられ? 芹香と同じくゴン太君方式で会話する浩之。このメンバーには全員テレパシー?が通じるので、翻訳する必要は無かったが、いつものクセでやってしまう。
そこで唇の動きを読んで通訳する男の出番がなくなり、間違いを訂正しながら話す必要も無くなったので、扇子で追い払われそうになったが、秘書か何かの役目もあるのか、どうにか居座った。
「はい? 「このような物に隠れて申し訳ない? 私と直接目を合わせると、ただ事では済まないので、このままで失礼する」ですか?」
コクコク
琴音と交互にテレパシー通話の内容を平文に訳す二人。この人物と目を合わせると、どうなってしまうのかは不明だが、浩之も怖くなって目を逸らした。
御簾に隠れ、更に大事を取って色の濃いメガネを掛け、顔の前で扇を開いて目を隠す当主。
「え? 「以前からお話出来た男性、藤田浩之さんと、今日お友達になった姫川琴音さんです。それにお二方共「夜のお友達」とも遊べる、珍しい方です」だって?」
コクコク
祖父と孫娘が無音で会話しているのが怖くなり、つい翻訳と通訳も続ける。
「は? 「良かったな、わしは見合いを続けて、婆さんと出会うまで、誰ひとりとして「人間の」友達がおらんかったから辛かった、この声が辛うじて聞こえたのも、セバスチャンぐらいだった」ですって?」
コクコク
本来の通訳を無視してゴン太君方式で話すが、そうしていなければ精神が持たないような独特の雰囲気がある人物だった。
「はい、「これからも「末永く」孫と仲良くしてやって欲しい?」それと、「二人共是非その才能を活かして、来栖川のために働いてもらえないか?」ですか?」
コクコク
超能力テロ少女を、即座に雇うと決めた現当主。芹香と同じで器が大き過ぎるようで、工場の損失だとか、孫娘その2がテレキネシスで吹っ飛ばされたとか、心臓を掴まれてもうすぐ死ぬ所だった、などは全く気にしていないらしい
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