滅殺
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いた浩之には、芹香が笑っているように見えた。
そして勿論、琴音も…
「キャアアッ!」
ロボットの力や、テレキネシスが全く通用しない相手には、対抗する方法も無く、他の者と同じように悲鳴を上げていた。
「来ないでっ!」
情け容赦無く、芹香のお友達が飛び回り、明らかに芹香とはお友達ではない少女を威嚇する。
『ワンワンッ!』
しかしそこで、犬の鳴き声がすると、お友達も琴音への攻撃を止めた。
「えっ?」
振り返るとそこには、「不幸の予知」で雨の日に車にはねられ、怪我をした子犬の幽霊が、琴音を庇うように立ち塞がり、芹香のお友達から守ろうとしていた。
「やっぱり、助からなかったのね」
病院には連れて行き、治療は受けたが、結局、野良の子犬は長生き出来なかったらしい。
『ワンッ!』
「え? 「私のせいじゃない」それに「一人じゃない、ずっと見守っていた」ですって?」
『フゥーーー!』
『キャンキャン!』
『ピヨピヨピヨ!』
琴音の周りを沢山の動物達が取り囲み、芹香のお友達を近寄らせなかった。
「そう、そうだったの、ありがとう、ありがとう……」
偏見に曇った琴音の赤い目を、暖かい涙が洗い流して行った。
サク、サク、サク、サク
やがて、琴音の気持ちの変化を悟ったように、芹香が沢山の「お友達」と動物達の間を、道を開くように歩いて来る。
「あ、貴方は来栖川、芹香」
コクコク
「貴方の勝ちです、マルチさん達もお返しします。 それに… 藤田さんもっ!」
子犬?を抱いたまま瞼を閉じて、悔しそうに顔を背ける琴音。
フルフル
「え? 「違います、勝ち負けではありません」ですって?」
コクコク
琴音とも「ゴン太君方式」で話ができる芹香、この場合、間違いなくテレパシーだと思われる。
「え…「マルチとお友達になって下さってありがとうございました」、それに…「今日は楽しかった」ですって?」
コクコク
自分達の命を狙った相手に向かって、平然と「楽しかった」と言う芹香、少し器の大きさが違うらしい。
「よくもそんな事をっ! 私から藤田さんを奪っておいてっ!」
そこで琴音に向かって手を差し出す芹香。
「キャッ!」
身の危険を感じた琴音は、身を硬くして胸の子犬を守るように抱きしめた。
なでなでなで
「あっ! …「怖がる事はありません? 誰も…貴方から藤田さんを奪ったりしません」ですって?」
コクコク
「どうして? 私は貴方も、藤田さんに近付く女の人を全部…」
なでなでなで、なでなでなで
「うっ、ううっ」
『ワン、ワンッ!』
「え? 「ワンちゃんも言っています、貴方は良い子だから悪い事なんかできません」ですって?」
コクコク
「…「綾香ちゃん達も、大好きな格闘をして楽しそ
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