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To Heart 赤い目
滅殺
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れていたスイッチを作動させた。
 ボシュッ
 自爆装置が作動してマルチの首が飛び、関節も外れて無力化され、その場に転がった。
「ふふっ、一つぐらい減らしてどうするんです? 今頃、来栖川の工場でもこうなっているはずです、もし失敗しても工場は閉鎖でしょうね、でも、成功すれば…」
「「成功すれば?」」
 ニヤリ……
 琴音は悪魔の微笑みで答えた。

「逃げるぞ綾香っ! 坂下を頼む!」
「ええっ」
 琴音の手に落ちたマルチやセリオを諦め、今は倒れた葵や坂下を連れて逃げる事にした浩之。葵を背負い、走り出そうとした浩之だったが……
「ひ… ひろゆきさあ〜〜ん、捨てないで下さい〜〜」
 壊れた手で浩之の足を掴みながら、スローモーションのような低い声で呼ぶマルチ。
「うわっ!」
 グシャッ!
 綾香がマルチの手を踏み潰し、残骸を振り解く。
「ひどいです〜〜、綾香さん〜〜」
「くそっ! 囲まれた! え?「奇遇ですね」って」
 浩之が視線を向けた先、境内の石段の上には、綾香の姉の芹香が立っていた。
「何言ってるんだ? 先輩。 危ないから逃げてくれっ」
 フルフル
 首を振って、琴音を指差す芹香。
「…琴音ちゃんと話してるのか?」
 コクコク
「え? 「私も友達は出来なかったのですが、「人間じゃない方」とはすぐに仲良くなれました」だって?」
 コクコク
 その言葉を聞いて、とても嫌な予感がする浩之と綾香。
「な…「だから今日は、もしもの時の為に、沢山のお友達が集まって下さ…」ギャアアアアアッ!!」
 地面の中や、自分の体の中から沢山の「お友達」が出てきてしまい、悲鳴を上げる浩之。
「あっ! あああっ! ふうっ」 
 沢山の怨霊、幽霊、魔物、悪鬼羅刹を認識できず、ブレーカが飛び、即座に機能停止するマルチ。
「識別不能、衛星カラノデータ………… 照合無シ、理解不能、眼球モシクハ視覚野ニ異常ガアリマス、コレハ例外0100882ニ該当シ、メンテナンスヲ必要トシマス、10秒後ニ再起動シマス、本起動中ノデータハ保存サレマセン、7,6,5,4……」
 目の前を飛んでいる、「何か」を目線で追いながら、セリオも機能停止し、リセットマシンに成り下がった。
「キャアアアアアアアッ!」
「ひぃいいいいいいっ!」
 坂下と葵も、「インディ*ョーンズで聖櫃が開いたようなシーン」を生で見てしまい、息も絶え絶えな状態から、白目をむいて泡を吹いて気絶する状態にレベルアップした。
「いやっ! イヤアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
 そして、あの綾香にも苦手な物があったらしく、浩之にしがみ付いて壮絶な悲鳴を上げていた。
(え?「綾香ちゃん楽しそう」 ってそうじゃないだろ、先輩)
 クスクスッ
 すでに自分の体を離れ、上から自分達を見て
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