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To Heart 赤い目
滅殺
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でくださいっ!」
 浩之の言葉で集中が切れたのか、綾香の心臓を掴むような手付きを止める。
「大丈夫デスカ,アヤカサン」
「ゴフッ、も、もういい、セリオ」
 セリオに支えられながら起こされ、懲りずにまた琴音に向かう綾香。
「何て奴だ、超能力だと?」
「超能力じゃ不満ですか? それなら、これでどうです」
 ヒュン! ガキッ!
 その時、綾香の隣に坂下が割り込み、何かの攻撃をガードした。
「好恵…?」
「何をボーっとしている? 真横からの攻撃にも気付かないのかっ!」
 真横から綾香の後頭部に向けて、背中を折り曲げるように繰り出された、信じられない角度からの蹴り。
 機械のように正確に急所を狙った攻撃を受けていれば、綾香と言えど、ただでは済まないはずだった。
「だ、だって…」
 自分を攻撃した相手を信じられないように見ている綾香、それはすでに坂下と向かい合って構えを取っていた。
「まさかセリオが私をっ!」
 反射的に体が動き、致命の一撃はかわせたが、よもや自分を支えていた相手から攻撃を受けるとは思っていなかった。
「それがあいつの狙いだ、マルチと同じで、こいつも操られている」
「琴音ちゃんが?」
「私、人間の友達は出来なかったけど、メイドロボの皆さんとはすぐに仲良くなれました、今日も私の為に、沢山のお友達が集まってくれてます」

 ヒュゥゥン! バキバキッ! ゴゴゴゴゴゴゴッ!
 周囲から機械音がすると、神社の境内に何台ものメイドロボや、作業用ロボットが現れた。
「あのデカいのは、メイドロボじゃないだろ」
 工事現場で働く巨大なロボットを見て、一応ツッコミを入れてみる浩之。
「ヨシエサン?」
 キュウウウウウウン!
 セリオもあり得ない加速をして、坂下に届く範囲に入ると、モーター音を響かせながら人間には到底繰り出せない手数の突きを放ち、拳や打掌ではなく殺人のための手刀で突かれ、脚が届く範囲の物を全て薙ぎ倒す、鉄の回し蹴りに翻弄される。坂下は防御を崩され、急所を突かれてあっという間に倒された。
「坂下さんっ!」
 そう言った葵の前でも、独楽のように回転するマルチが現れ、手足の防御など鉄の脚で弾かれ、その間にも急所への手刀を叩きこまれて、鋼鉄の脚で吹き飛ばされた。
「葵っ!」
 人外の攻撃には成すすべもなく倒された格闘家、綾香も一時心臓を止められたダメージからは回復しておらず、逃げ道を探した。
「くっ! 私達を傷付けて、ただで済むとでも思ってるのっ?」
 自分の力では葵や浩之を守れないと悟り、一番嫌な来栖川の力で琴音を威圧しようとする。
「思ってません、だから藤田さんの前から消えて下さい」
 ザムザムザムザム!
 包囲の輪を縮め、ゆっくりと群がって来るロボット達。そこで綾香は諦めて、長瀬博士から渡さ
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