赤い目
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ですが、新しいパーソナルデータを入れて、別の場所にテストに行ったまま、帰って来なくなりました」だって?」
コクコク
「そうか… まあ、あいつの事だから、道に迷って帰れなくなったとか」
帰り道が分からず、道に迷って犬や猫と一緒に暮らしているマルチの姿が見えるような気がした浩之。
(あいつならありえる…)
フルフルッ
「違うって、「GPSがあるので、道には迷いません」だって?」
コクコク
例えGPS内蔵でも、使い方がわからず迷いそうなマルチ。
「じゃあ、病気のお年寄りでも見付けて、そのまま家に運んで看病してたら帰れなくなったとか」
コクコク
一人暮らしのお爺さんやお婆さんをおぶって帰り、世話をしているマルチの姿も想像できた。
浩之想像中…
「いつもすまないねえ」
「それは言わない約束ですぅ」
パリンッ、ガシャーン!
「はわわ〜〜、おかゆがっ、おかゆがぁ〜〜」
土鍋をひっくり返したり、巨大せんべいのように、カチカチに焼き上げているマルチの姿も、簡単に想像出来た…
「よけい怪我させたり、逆に面倒見て貰ってるんじゃあ… え?「それなら居場所がわかるので、病院に送ってマルチは連れて帰ります」だって?」
コクコク
「じゃあ悪い奴に騙されて、人助けだと勘違いして食い逃げでも…」
どこかの悪人と一緒に、タイヤキを食い逃げしているマルチの姿も浮かんだ。
フルフルッ
「え?「作品とメーカーが違います」って? ああ、そうだな、あいつに限って悪事を働くとは思えんし、悪人でも身の上話でも聞いて、最後には改心させそうだな」
コクコク
「じゃあ、さらわれてどこかに売られちまったんじゃあ…」
パーツ取りされて、残りは100グラム98円ぐらいで切り売りされている、哀れなマルチの姿も浮かんだ。
フルフルッ
「え、「それも違います」って? 「豚バラ肉よりは高いです」って?」
フルフルフルッ!
「ああ、ごめんごめん、説明が長すぎて飽きられるんじゃないかと思って、ついバリエーションを。 「充電はしているようなので、どこかで生きています」だって?」
コクコク
来栖川の中でも、芹香と長瀬博士だけは、マルチを「生きている」と認識していた。
「ったく、先輩にまで心配かけやがって、どこをほっつき歩いてるんだ、あいつは? でもどうして先輩がマルチの事を知ってるんだ? もしかして、何かしたんじゃあ…?」
……コクリ
その表情だけで、何があったか分かってしまう、哀れな浩之だった。
「まさか、魔法をかけて魂を宿らせたとか、命を与えたとか… え?「魂は元から宿っていたので、願い事が叶うように、「うぐぅ」と「あう〜〜」の魔法をかけてあげました」だって」
コクコク
それはきっと、人間になって浩
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