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【掌編置場】コーナー・オブ・テキストレムナンツ
レッドホワイト・バレンタイン
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言うのが正直な解答だ」
「はい」
「エルシャは可愛いし、優しいし、信じがたいことだが俺のことを好きでいてくれるらしい。つまりは理想の女性像と考えていいわけだけども。……俺が、エルシャのことが好きなのかは、分からん。好きか嫌いかで言われたら間違いなく好きだけども……」

 そう返されることは、なんとなく予想がついていた。

 だって、恋はした方が負け、なんていう言葉があるくらい、らしいから。

 でも先輩がそう言った、その理由も、やっぱり。

「……妥協、したくない。ちゃんと、俺も君が好きだ、って思えるようになりたい。それまで、俺のことを、好きでいて、くれるならだけど……」

 そのとおりに。

「――はい。何時までも待っています。先輩」

 大好きだから。


 ***


 俺の最初で最後、唯一無二の『勝利』の記録。
 赤くて白い少女からの、恋と愛の贈り物。

 この先どうなっていくかは良く分からない。彼女が何かの拍子に俺を嫌いになる可能性だってある。

 だから。その前に、好きになる。
 きっと。
 
 だって予想は出来ている。恐らく俺は――

 ――もうすでに、エルシャが好きだ。
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