暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
テーマ短編
ヴァレンタイン番外編:貴方に渡したい物
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初

風味が良かったから。と言ってクスリと笑う美幸に、和人が感心したように言った。

「凄いなサチ……ホントに店売りのチョコとそん色ないぞこれ」
「あら、キリト君もこういうのが良かった?」
「いや、そういう意味で言ってるわけじゃなくてさ!」
やや失言だったと感じたのか、慌てて弁解をするキリトだが、つーんと顔を逸らした明日奈の顔がからかうように微笑んでいるのが涼人の位置からは丸見えだ。ちなみに、先ほどまでずっこけていた後ろの女性陣は、何やら自信を無くしたように沈む珪子と美雨を里香と直葉、(あとユウキ)が必死に慰めている。

「うん……普通に両方ともうめぇ……けどなんつーか……」
「?あ、何か、嫌いなもの会った?お酒、駄目だったかな?」
少し顔を陰らせた涼人に、いきなり美幸が慌てた様子に切り替わる。ほっとくと泣くのではないかと心配になるようなその顔に、涼人の方が慌てて手を横に振った。

「あー、ちゃうちゃうちゃう。ただなんつーか、おもったんだけどよ……このチョコ、そんなに甘くねぇな?」
「あ……凄いねリョウ」
「ん?」
「そのチョコね?砂糖を使わないで作ってあるの」
「……うん?」
いや、甘くないと言っても別に全くというわけではないのだが……砂糖使わないと甘くならないだろうと言いかけて横からキリトをからかっていた明日奈が驚いたように言った。

「え!?サチ、そのチョコ全部オーガニックで作ったの!?」
「うんっ、近くであんまり甘くないやつを買ってきて、後は、自分で調整したの」
「…………わかるように説明してくんね?」
オーガニックチョコレートとは、簡単に言えば、「砂糖や食品添加物を全く使用しないで作られたチョコレート」の事だ。カカオ豆の含有率が高く、普段我々が食べているようなチョコに含まれる砂糖やアスパルテームといった人工甘味料も使われていない、天然性の素材のみで作られた、平たくいう所の「体に良いチョコレート」である。

「けど、それじゃあ甘味つかねぇだろ」
「砂糖じゃなくても、甘いものはあるでしょう?ハチミツとか、メイプルシロップとか」
「……あぁ」
なるほど、といった風に、涼人は頷いて改めてチョコを眺める。つまるところ、このチョコは健康に良いようだ。

「オーガニックの食材は、手間がかかるから金額も高いのよ?そんなので作ってくれたんだから、リョウ、ほら、何かいう事あるでしょ」
「なんでお前が偉そうなんだよ」
まるで母親かのようにリョウに促すアスナに、リョウは若干うんざりしたように眉を顰める。しかし思うところはあるらしく頭の後ろを掻くと、美幸の前に立ちあがった。

「あー、そのなんだ……手間ぁ、かけたな?」
「えっ!?あ、ううん。そんな事ないよ……」
「そんな事あるわよ」
唐突に、後ろから声が
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ