第二章 Lost Heros
銀白VS英霊
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っているのか全く分からない。
いや、眼には見えているのだ。魔力を目に回し、それを強化して様子を見ていたのだから。
しかし、そこで隙があれば宝石魔術や投影した剣を投げつけようと思っていた二人の思惑は外れた。
まったくその隙がないのだ。
あっても、そこにはすかさずサーヴァントたちが攻撃に入っている。
自分たち魔術師はあくまでも人間だという事を、否でも思い知らされる。
今も、アーチャーが締めあげられていくのを見ていることしかできない。
が、その巨大な身体をセイバーが逃すはずがない。
剣を振るって、その体に斬りかかっていく。
しかし、当然その前には蒔風が立ちふさがる。
「ッ・・・貴様!!」
「オレの青龍をいじめないでくれよなぁ?」
ギィン!!!
そういって交戦する二人。
だが、蒔風はどう見ても全力を出していない。
楽しんでいるのだ。
セイバーとの打ち合いを。そして、アーチャーを見て悔しそうに顔をゆがめるセイバーを見て。
「ヌあああああッ・・・・・ッッ!!!『身体は剣でできている』・・・・・!!!!」
だが、そうしている後ろで爆発音が起き、青龍の腹部が爆ぜた。
何事かとセイバーがそちらに目を向けるが、わかりきっている蒔風はそのセイバーの腹を蹴りだして押しのける。
そして、まったく振り返ることなく、後ろの状況を正確に口にした。
「・・・・・至近距離での「壊れた幻想」か。無茶するよなぁ?青龍、戻れ」
と、青龍を脇の鞘に戻し、そこで振り返る。
アーチャーの腹部からは煙が上がり、口からは血がこぼれる。
「アーチャー!!!」
「っと、テメェはこの期に及んでオレを無視すんな!!!」
「ッ!!」
パンパンパン!と銃声が鳴り、セイバーに銃弾が飛んで行く。
それを弾くセイバーだが、それと同時に投げつけられてきた手榴弾の爆発に、少しばかり後退する。
そこで少し落ち着いたのか、蒔風がアーチャーに言葉を向けた。
「ランサーがどこに行ったかは・・・・・わからん?」
「貴様に・・・教える義理はないな・・・・・・」
「おお、息絶え絶え。だがまあ、大方言峰教会だろう。あそこにいる自分のマスターに助けを求めに行ったか?」
「・・・・・・」
そこまで読まれて、アーチャーに揺らぎはない。
なぜなら、そろそろランサーが戻ってくるころだったからだ。
「彼女」の「アレ」ならば、蒔風に絶対的に有効だろうと。
そう考えていたアーチャーには、また勝算があった。
しかし
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