第二章 Lost Heros
襲撃者VS漆黒&蒼青
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「もういいよ、青龍。全部わかってるみたいだ」
頭上から声がした。
このロビーは吹き抜けで天井まで四階の高さがある。
そこの高い天井から、声がした。
皆が一斉に見上げる。
その天井を走るの丸い鉄柱に、蒔風が腰かけていた。
そして、囲まれている蒔風改め青龍の横に飛び降り、彼の肩をポンと叩いた。
「・・・・すみません」
「しゃーない。よくやったよ。戻っとけ」
蒔風の言葉に、青龍が剣に戻って蒔風の脇に消える。
それを見て、全員が絶句した。
まさか本当にこの男が、この人が、この翼人が敵なのかと。
「・・・さ、てと・・・・・いや、クラウド、これはな?オレが狙われた場合の保険で・・・・」
「そんな戯言はいい!!なぜやった!!!」
この期に及んで、いまだにシラを切ろうとする蒔風。
だが、それを断じるクラウド。
その言葉に、諦めた感じの目をして、蒔風が訊いた。
「どこから気付いた?」
「発端は・・・お前がいろいろときっかけを掴んでいながらも、なにも発見できていないという事だ。今まで色々な情報が集まったのは、総てお前からではなく、他のメンバーからだった」
「で?」
「そして、決定的だったのは・・・・華琳と恭介がやられたあの現場だ」
「?証拠はなにも無かったが?」
「それが、彼らのメッセージだった」
「どういうことだ?」
「あの現場には何もなかった。だがあの時言ったように、あの二人がなにも残さないのはおかしい。つまり、彼らは“残せなかった”んじゃない。“残さなかった”んだ。自分たちがいくら策を講じ、どんな証拠を残しても、それは襲撃者に消されてしまう。だから何も残さなかった。戦闘もしなかった」
「・・・・・・」
「自分たちを襲った相手は、抵抗することも無駄で、勝つ見込みも無く、どんなものを残したところで消されてしまうような、圧倒的な力の持ち主だという事だ!!そしてそれをいきなりできたのは、襲撃者が知り合いだったという事だ!!!」
「それが根拠か。あまりにも拙いが・・・」
「そうだ・・・しかし、ではお前からの否定は?」
クラウドが、ここまで言って最後の望みをかける。
もしかしたら、彼には何か理由があるのか、それともこのように陥れられたのか、と。
ここで彼からの否定だったり弁明があれば、まだ理解はできるかもしれない。
だが
「よくできました。大正解だ!さて・・・どうしましょうか
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