第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#47
FAREWELL CAUSATIONZ〜Brave Phoenix〜
[8/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
通常の状態ではその微細な変化を読み取るのが精々で
探査材料とするには茲許 な過ぎるが
無明の双眸を宿す今の超絶的反射神経なら何とか対応できる。
だがあくまでなんとか、辛うじてダメージを防いだだけで
鎧が砕ける事に変わりはない。
(今のは完全に視えなかった、防げたのは殆ど僥倖、でも待って、
視えない? みえない? ミエナイッ!)
払った代償への対価は相応に、 “視えない” という事実が
今の少女の直感を強撃した、そして導き出される結論、
解決策は彼女の能力により「加速」される。
未曽有の覚醒能力 “真・灼眼”
コレまで戦果も凄まじいモノだったが如何せん、
その「持続力」が短過ぎた。
故に幾ら凄まじい威力を敲き出そうともその潜在力を
十全に引き出せたとは到底言い難い。
少女の精神状態もあるだろうが、四度目の覚醒にてようやく
この能力は彼女に “なじみ” つつ在った。
ただパワーがUPするだけなら実戦向けとは言えない
(逆に利用されたら終わりだから)
あらゆる状況に対応出来る汎用性こそがこの能力の核心。
ソラトに見抜かれないよう少女はカフェの裏口から店内に滑り込み、
サインボードやオーニングで上空からでは中が見えない事も織り込んで
静止した人達に囲まれたフロアの中間から外を見る、ただ、みる。
研ぎ澄まされ更に深度を増した無明の双眸で。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
別段変化のない、本来起こりようが無い街並みの光景、
だが少女の瞳に映った景色は通常とはまるで別モノだった。
今の少女には “ミエナイモノ” が視えた、人が想いを感じ取るように、
通常では捉えられないモノを明確に認識した。
(視える……!)
驚愕は置き去りに、少女の脳裏は映したものをそのまま精密に解析、
推測に入った。
今の少女、練成しつつ在る “真・灼眼” の前には、
例え不可視であろうと “存在しているなら”
何人たりとも逃れるコトは出来ない。
「凄く良く、視得る……ッ!』
研ぎ澄まされた視覚野は、物体が有る事によって生ずる気流の変化、
動く事によって生ずる微小な痕跡、
何より存在する事によって発生する「温度」
ソレを一切見落とさず看破し得る。
当然ソレだけでは結果のみの後述なので実戦には使えない、
だがここで “真・灼眼” のもう一つの特性、
超速の演算能力を組み合わせるコトにより、
その僅かな 「差異」 は明確な形容を持って脳裏に再構成されるのだ。
電流の流れる雷速で行われるが故に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ