第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#47
FAREWELL CAUSATIONZ〜Brave Phoenix〜
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眼驚が如く、少女の鎧、右肩甲が砕かれた。
白い素肌が露わになり、衝撃と破片で傷ついた肩から血が叨る。
意識は燃え盛る熱に合わせ研ぎ澄まし、
逆に存在の気配は真眼と鳳鎧とは裏腹に消し去った筈。
にも関わらず不意を撃たれたのは自分の方だ、
一体何の能力か、結果が出るまで予感すらしなかった。
いつの間にかソラトが忍び寄り死角からの(背は壁につけている)
一撃を喰らわせその影も捉えられないまま姿を眩ませた?
絶対に在り得ない。
砂漠の真ン中で灼熱を見落とさないのと同じく
奴が近くに来れば絶対にその存在を感じた筈、
近接の肉弾戦なら敵うものはいないかもしれないがそれ故に、
秘密裏に事を進める隠密行動は苦手な筈だ。
(ヤツは何処に!?)
剥き出しになった肩を手甲で押えながら少女は路地の陰から視線を這わす。
鎧の防御力の御蔭で肩の肉を抉られる事は無く、
甲冑全体が相互を補う形容で構成されているため
一部が砕けたからといって即『正 義』に支配されるわけではない。
だが相手の能力も解らずにこんな不意打ちを喰らいつづければあっというまに丸裸、
先刻以上の絶望が大挙して押し寄せる。
(!?)
果たして、目的の強者はあっさりと見つかった。
自分に幻撃を喰らった場所から殆ど変らず、
逆に宙に両腕を組んだまま街下を見下ろし
隠そうともしない獅子の猛気を全身から放っている。
だがあの場所からではビルや木々が死角になって
こっちの位置は視認出来ない筈、
野生の勘と言っても一発で必中させるには範囲が広過ぎる。
今現在自分が動いているのか潜んでいるのかも解らない筈だ。
(……それに解らない事がもう一つ、位置が特定出来たなら
どうして “奴自身が” 此処に向かってこないの?
今までなら間違いなく自制心のない莫迦な餓鬼みたいに飛び掛かってきた筈。
警戒してるの? それとも奴自身には位置が解ってないの?
でもそれならどうして?)
考えれば考えるほど思考のロジックが知恵の輪のように絡まりジレンマを引き起こす。
ティリエルが傍にいないかと考えたが流石にリスクが大き過ぎる方法を
アノ女が執る筈もない、ならばどうしてと歯噛みする矢先に躰が動いた。
ヴァガンッッ!! グャギンッッ!!
反射的に構えた騎士盾、そして法衣状の腰甲側面端が砕けた、
例によって正体は解らない、だがなんとか辛うじて直撃だけは免れた。
発見のリスクを負うが少女は場所を移動しない代わりに
気配を消したまま躰から立ち上る火の粉を通常よりやや広く撒いて留めた。
能力が解らなくてもその火の粉が揺らいだ瞬間が攻撃の来る時、
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