ガンダムW
1605話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の場所で一斉にOZの人間の意識を奪っていく。
次々に意識が奪われていく人間を見れば、当然周囲はパニックになる。
そして俺がガスを使っているという話が広まり、やがて……その緊張は張り詰めた糸がプツンと切れるように、限界を迎えた。
そして限界を迎えれば、そこにあるのは混乱やパニック、暴動。
『うわあああぁぁっ! 逃げろ、逃げろぉっ! ガスだ、ガスが使われた! このままだと全員死ぬぞ!』
『どけえっ! くそっ、このままガスにやられて死んでたまるかよ!』
『脱出だ、バルジから脱出するんだ! 急げ急げ急げ! このままだと全員がガスにやられるぞ!』
そんな声がいたるところから聞こえてくる。
バルジの中にいた者達は、多くの者達が脱出するべく行動を始める。
『待て! まだガスが使われたとは限らない! テロリストの策略の可能性もある!』
『ふざけるな! もう、何人倒れたと思ってるんだよ!』
まだ冷静な兵士と、逃げようとしている兵士が言い争うような声も色々と聞こえてくる。
きちんと調べれば、倒れた者の身体にはガスのように有毒成分の類がないというのは分かるだろう。
だが、それはあくまでもきちんと調べればの話であり、それには相応の時間が掛かる。
そして今は現在進行形で多くの人間が突然意識を失って倒れていくのだから、とにかくバルジを脱出しようと考える者が出て来るのは当然だった。
一人が逃げ出そうとして行動を起こせば、現在のバルジの状況に不安を覚えていた他の者達もそれに続き、どうしようか迷っていた者も周囲が移動を始めればそれに釣られる。
ましてや、ガスの件以外にもテロリスト――俺――が動力炉のコントロールルームに立て籠もっており、それを自爆させると公言しているのだから、バルジから脱出するつもりになっていてもおかしな話ではない。
『待て、貴様等!』
そんな風に何とか脱出しようとしている者を止めようとしている者もいるが、そんな人物が何かを言おうとする前にスライムを使って意識を奪う。
自分に何かを言おうとしていた相手がいきなり意識を失って倒れるのだから、それを見ていた、脱出しようとしていた者が余計にこのままバルジにいるのは危ないと考えるのは当然だった。
そうして雪崩を打ったように脱出していくOZの兵士達だったが、当然中には自分達が逃げる訳にはいかないと判断し、バルジに留まった者もいる。
職人気質、もしくは軍人として自分の仕事にプライドを持っているようなタイプ。
そういう奴は、周囲が避難しろと言っても全く聞かずに自分の持ち場を離れない。
……なので、仕方なくそういう奴にはスライムという名のガスにより、意識を失って貰う。
幸いと言うか何と言うか、そういう奴に限って下の者から慕われている事が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ