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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
138部分:複雑なる正義その三
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になった山賊達は一斉に二人に襲い掛かった。二人は豹の様な動きで前に出た。
 二人の剣が焚火に照らされ闇の中に煌いた。
 一瞬だった。山賊達は皆地に伏した。だが一人残っていた。
「残ったのは手前だけだな」
 二人はトルケマダへ歩み寄る。彼の顔が蒼ざめる。
「ひ・・・・・・ひいィィィィィィィィッ!」
 恐慌をきたして逃げようとする。だがその前に黒い服の男が立ち塞がった。
「へ!?」
 男は剣を無言で振り下ろした。トルケマダは一刀のもとに両断された。
「流石だね、やっぱり強いや」
 剣を拭き鞘に収めるガルザスにリフィスがニヤリ、と笑いながら言った。
「うむ」
 ガルザスは一言答えるのみである。
「ちぇっ、相変わらず無愛想なおっさんだな。まあいいか。強いし」
 リフィスは少しすねたような声で言った。そこにシヴァとトルード、そしてディジーが来た。
「おう、どうなった?」
 ディジーはパーンの言葉に対し片目をつむって笑った。
「こっちは終わったわ」
「よし、後はシューターだけだな」
「ええ。けどあんなのが敵じゃなくて本当によかったわね」
「同感」
 彼等はそういいながらガルザス達と共に南へ歩いて行った。その行く先は言うまでもなくミーズである。
 トラキア軍はミーズ城の北にシューターを集中的に配置していた。その数数百二及び空からミーズを守る竜騎士団と共に鉄壁の守りを為していた。
 その中を歩哨達が巡回している。そこに守将であるセイメトルが通り掛かった。
「ご苦労。異常は無いな?」
「はっ」
 兵士達は敬礼をし答えた。
「うむ、しっかり頼むぞ。もしミーズに万が一の事があればトラキアは後が無くなる。我が国の命運はそなた達にかかっいるのだ」
「わかりました」
 セイメトルは彼等と別れ何処かへ去った。兵士達も別のところへ行った。その後ろにシューターの間を跳ぶ様に移る二つの影があった。
「ここまでは上手くいきましたね」
 緑の髪の青年が銀の髪の少女に言った。二人はトラキアの軍服を着ている。
「はい。後はシューターの武器である大槍を全て破壊するだけですね」
 銀の髪の少女が子声で青年に言った。
「大槍は私がフォルセティで一掃します。貴女はサポートをして下さい」
「はい」
 セティはチラリ、と少女を見た。何処かオドオドしているように見える。

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