第25話 武神は魔術を知る
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る。
「言い返せないなら、私に事情を聴く権利は出来たよな?」
しかしシーマは一通り悔しがったあと、冷静になって疑問を呈する。
「本音は?どうせ、シロウに守られているだけなのが気にくわないとかじゃないのか?」
「何故それを!?」
「お主の思考を読んだまでだったが、矢張りか」
「だ、大事な事だろ!」
「見た目は間違いなく美少女と言う奴なのに、中身がこれでは色々残念だな」
「なんだと!」
ぎゃあぎゃあと言い合う2人は、いつの間にか周囲への気遣いなど忘れて白熱している。
おかげで気配を消していたのも無意味になり、通り過ぎる生徒達に存在を認識されていた。
「―――――兎に角!私は絶対に聞きに行くからな!」
「分かった、分かった。余はもう何も言わぬ。あー、それと、放課後と告げたが来る必要はないぞ?寧ろすぐに来ても対応できぬ。時間帯は夜の八時頃だと言っておったな。そうでないとメンツが集まらぬとも」
「その時間外に内緒で集まって約束を反故にしたら、許さないからな!」
予鈴が鳴るのと同時に去って行く百代。
それを見送るシーマは溜息をつく。
「シロウも厄介なのに懐かれたものだな」
そう言って自分の教室の戻って行った。
−Interlude−
夕方(放課後)
何時もの様にスカサハのスパルタ鍛錬を受けに来ていた一子が、生まれたての小鹿の様に足をガクガクと振るわせていた。
「良し、今日はこれ位でよかろう」
「あ、ありがとうございました・・・・・・」
そこで漸く崩れるように倒れ込む一子。
あまりの鍛錬ぶりに、今日も何時もの様に気を失っている。
「ヤレヤレこの程度で気絶とは・・・・・・まあ最初の頃に比べればマシにはなっておるか」
「クゥン」
口では辛口評価ではあるが、気絶した一子を持ち上げて優しく抱き上げるスカサハ。
そこへ藤村組の若衆が、これまた何時も通りにやって来る。
「こやつを頼むぞ」
「はい、お任せを」
気絶した一子を川神院に送り届けるのが彼らの役目だ。
「ああ、そう言えば聞いておるか?九鬼を呼び出す日程が決まった事を」
「はい。何でも来月の上旬に呼び出すと・・・五日辺りだとも聞いております」
「一子殿を送り届けるついでに、言いつけてやる予定です」
「そうか」
聞いているならばいいと、縁側に戻る彼女は憂鬱そうに溜息をつく。
「後もうすぐで時間か・・・。面倒な」
百代への説明への時間に対して、億劫な態度で夕焼け空を見上げるのだった。
−Interlude−
時刻は夜の八時を
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