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第七十九話 あなたは独りではありませんよ。
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ていいかわからなくてうろたえてしまっていた。
「だいぶ前に・・・・。」
ラップ大佐が口火を切った。
「帝国でちょっとした騒ぎがあったね。カロリーネ皇女殿下という銀河帝国の帝室に連なる姫君が実は血を引いていなかったと。あらゆるメディアやSNSを通じて銀河中に拡散されていたことを君も知っているだろう?」
あの時のことは、忘れたくても忘れられない。でも、忘れ去りたい日々だった。同時にあれがなかったらアルフレートやシュタインメッツにも会えなかったのだ。そんな複雑な思いを抱いた日々を思い返しながらカロリーネ皇女殿下はうなずいた。
「あの騒動は実は自由惑星同盟にも届いていたが、それ以前から、情報部は可能な限りカロリーネ皇女殿下の情報を集めていた。帝室に連なる人間は神聖不可侵だと言われているから、写真などはなかったが、幾人かの証言を得ることができてだいたいの君の容姿は分っていた。」
「・・・・・・・。」
「ここまでは帝室や首脳部の誰もに対して行う情報収集だ。だが、その後が違った。何故なら君が行方不明になったからだ。そのこともSNSを通じてさかんに拡散されていたんだよ。」
「・・・・・・・。」
「君が行方不明だと知った時、情報部、いや、正確に言えば情報部の情報を聞いたごく一部の政府首脳陣や軍上層部は君を保護する動きを示した。」
「どうして、ですか?」
「君を奉戴して立憲君主制を確立することが目的だからだ。」
いきなりのヤン・ウェンリーの放った爆弾を受け損ねたカロリーネ皇女殿下は思わずせき込んでしまった。民主主義を掲げる自由惑星同盟が、立憲君主制!?
「驚くのも無理はない。」
ラップが再び説明を続けた。
「士官学校で教育を受けてきた君たちにとっては民主主義こそすべてだと言われ続けてきたんだからね。これはごく一部の人間しか知らない極秘の話だ。ブラッドレー大将もシトレ閣下もさる筋から話を聞いたとだけ述べておられる。」
「・・・・・・・。」
「今は違うが、自由惑星同盟がいつか帝国遠征をおこなうという事は自由惑星同盟の中で半ば規定事実だった。いや、それは未だ意識の底では変わっていないと言ったらいいかな。いずれにしても、遠征が成功しても、民心を統治できる保証はない。今まで帝国貴族の圧政を経験してきた民衆がそう簡単に自立の意志を持つことはできないことを私たちはよく知っている。そこで、考え出したのが、あらたな帝室の人間をいただくことによる立憲君主制だ。」
「・・・・・・・。」
「こうすれば、民心は落ち着くことだろう。正当な血筋による正当な支配者が単に帝位の椅子を変わっただけとなる。その下で徐々に民心を改革するというのが狙いだったんだ。」
「・・・・・・・。」
「だからこそ、君に目を付けた。だが、同時に恐れてもいた。必要以上に君を刺激してしまうと、君
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