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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十九話 あなたは独りではありませんよ。
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れぬ恐怖が湧き上がってきた。もしラインハルトが自由惑星同盟に攻め込んできたならば、という恐怖は今もカロリーネ皇女殿下の胸の中にある。それを取り出してみるだけで、怖かった。とてつもなく怖かった。今でもそうだ。アムリッツアを経験していないとはいえ、ラインハルトの前には、あのヤン・ウェンリーですらかなわないのではないか、という不安があったのだ。
「どうして他の二次創作の子たちって、ああも強くなれるのかな?・・・・物語だからかな、にしても、ああも順応できるなんて不思議。それとも、私が駄目駄目なだけ?」
まだ自分は本格的に戦場に出ていないが、それでも第三次ティアマト会戦の時は足がすくんでしまって動けなかった。一瞬後には、今にも旗艦が砲弾に当たって爆発四散してしまうのではないか、という思いで、最後まで体が無駄に硬直しっぱなしだった。
それに引き換え、とカロリーネ皇女殿下は思う。あのモヤシみたいなアルフレートは自分よりもずっとこの世界に馴染んでいるような気がする。本当は前世なんてウソであなたも登場人物の一人なんじゃないの、とツッコミたくなる。
「駄目よね、私の方がお姉さんなのに・・・。」
カロリーネ皇女殿下は苦笑した。背伸びできたらしてみたい。けれど、それは本当の自分ではないし、不安を押さえつけているだけでは何も変わらない。
『小官も同じです。人間は鋼鉄ではありません。誰しもが胸の中に不安を抱えながら戦っているのです。』
不意に懐かしい声が耳元でした。正確にはアーダルベルト・フォン・ファーレンハイトのかつて言った言葉が胸の中によみがえっただけなのだが。
「ファーレンハイトは不安に思うことはないの?どうして戦いの中でそんなに平静でいられるの?」
と、いつか話のついでに尋ねたことがあった。
『慣れではありません。そういう人間がいることも事実ですし、心を麻痺させるというのも一種の防衛本能ですが、やはり恐怖というものを押さえつけることはできません。押し殺すことなどできはしないのです。』
では、どうすればいいのか、という問いかけに対して、ファーレンハイトはこんな答えを返してくれた。
『より強い思いを抱き、それに全力を集中するのです。それはどんなものでもよい。大切な人の為に戦いたい、このために自分は戦いたい、そういう思いを抱き続けることでようやく恐怖に立ち向かっていけると小官は思います。これとても万人に当てはまることではありませんが。』
そう言えば、とカロリーネ皇女殿下は思う。
「ファーレンハイトは何の為に戦うの?」
という最後の問いかけには、彼は苦笑して答えてくれなかった。なんとなくだが、その思いは分るような気がしてそれ以上追求はしなかった。
カロリーネ皇女殿下は「ほうっ。」と息を吐き出した。恐怖を克服できる方法はわかったが、
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