暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
5VS6!ZワザVSメガシンカ(3)
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い……『ミラージュダイブ』!!」

 その炎はジェムのメガジュペッタの周りに渦巻く幻惑の霧が消してしまう。3体分の突撃を受けて――シンボルハンターのエースは、戦闘不能になった。倒した後もしばらくジェムは、気を抜かない。シンボルハンターがジュペッタをボールにしまい、両手を上げたところで、ようやくジェムは気を抜いて座り込んだ。

「………………勝った、よね?」

 少し離れていたジャックが、ジェムに駆け寄る。そしてポンポンと肩を叩いた。

「そうだよ、ジェム。……疑いようもなく、君の勝ちだ」

 戦いを終えたジェムのジュペッタが、ジェムに抱き付く。ジェムもぬいぐるみを抱えるようにしっかりと触れてあげた。勿論、一緒に倒れた仲間の入っているモンスターボールも。

「……チッ、負けたか。約束通り集めたシンボルはくれてやる。じゃあな」

 暫く黙っていたシンボルハンターは、座り込むジェムに近寄るといくつかのシンボルを投げてよこした。凄く不機嫌なのを隠そうともせず立ち去ろうとするので、慌ててジェムは止めた。

「待って!」
「なんだよ、本気でお前の母親に謝らせるつもりか?」
「そうじゃないの……あなたがお母様の本当のこと教えてくれたこと、ありがとうって」

 最初口で聞いた時は、ひどい嘘を言ってるんだと思った。でもそれは本当かもしれなくて。少なくともここで彼に会わなければ自分はずっと両親に幻想を抱き続けたままだった。

「……知らない方がお前は幸せだったんじゃねえのか?」
「かもしれないけど……でもそれじゃ、お母様を不幸にしてた。だから、ありがとう。それと、あなたはもしかして……」

 シンボルハンターの言いぶりでは母親をよく知っているようだった。そしてここまで卓抜したゴーストポケモンの使い手。ジェムが両親から聞いた話では、それに当てはまるような人物は一人しかいない。

「人違いだな。お前の両親が知るあいつはもう敗れた世界の住人になった……こんなポケモンバトルの最前線にいるわけがねえ」
「そう、なんだ。違う人、なんだね」

 その答えはもうほとんど肯定しているような気がしたけど。でも認めたくないということだろうから。それ以上言わなかった。ジャックもただ会話を聞いている。

「最後に一つだけ……あなたは、私を負けさせたかったの?それともこうなってほしかったの?」

 シンボルハンターを名乗る男の行動は、単にジェムを苦しめて勝ちたいだけにしては違和感がある。ジェムが記憶を見て苦しんでいる間や、絶望した時に追い打ちをかけなかったことだ。

「それをてめえに教える義理はねえよ。ただ俺に勝った以上は、ここから勝ち続けろ。じゃあな」
「わかったわ……ありがとう、大事なこ
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