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フロンティアを駆け抜けて
5VS6!ZワザVSメガシンカ(3)
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魔の炎が大顎を焼き尽くし、闇の斬撃が大盾を切り裂いた。為すすべもなく、二体は倒される。

「ありがとう。凄く頑張ってくれたよ……あとは、この子たちに任せて」

 ジェムは二体に感謝を告げ、ボールに戻す。条件はこれで2対2で互角。だが相手のメガジュペッタの能力は凄まじい。あれだけ鍛えられているジュペッタのレベル分こちらの技を出す力を削り取られるなら、一度受けただけで無抵抗に倒されるしかないのと同じことだ。

「これでお前の残りはジュペッタと後一匹か……さあ、最後の二匹を出すんだな」

 シンボルハンターが勝負を急がせるように言う。だがジェムは思考停止で二体を出すことはしなかった。一度技を出すだけで行動不能にされるのなら、どうすればいいのか。

(……わからない。こんな反則的な技初めて見た。でも)

 ジェム一人ではどうしようもなくとも、自分の仲間たちを信じられる。ジェムはボールの中のジュペッタとラティアスを見た。

(ペタペタ、あなたの力であっちより早くメガジュペッタの技を無力化できる?)

 ジェムのジュペッタは少し考えて首を振る。それはそうだ。あのメガジュペッタは相手の技を封じるために鍛え上げられて来たことは明白だ。向こうの土俵で戦って勝つのは無理だろう。

(だったら、無力化されないようにする?でも、どうすれば……)

 すると、倒れたポケモン達の入っているボールがかたかた揺れた。何かを必死に、ジェムとジュペッタに伝えようとしているようだった。温かい鼓動は、仲間を想う気持ちだとわかった。その想いを受け取ったジェムのジュペッタが、大きく頷く。

(……うんわかった。任せるね。ラティ、辛い思いをさせることになりそうだけどいい?)

 ボールの中のラティアスは、ジェムの気持ちを感じてにっこり笑う。ラティアスはいつもジェムをすぐ近くで見ていてくれた。今思えば夢しか見ていなかった自分が取り返しのつかない所に落ちてしまわないように、守っていてくれたのだと思う。

「フッ……黙りこくってどうした。さすがに俺のメガジュペッタには手も足も出ねえってか?」
「……ううん、見えたわ。あなたのエースを倒す方法が! 行くよラティ!」
「ひゅううん!」

 ジェムはラティアスだけをボールから出す。ジュペッタは、まだ出さない。

「一体だけで勝つ気か?だがラティアスの技はほぼ特殊攻撃。メガジュペッタどころか、ムウマージの敵じゃねえな」
「……嘘吐きね」
「何?」

 ジェムはシンボルハンターの言葉を即座に断じた。これは賭けだ。ジェムが相手のムウマージの力を読み違えていたのなら、確実に負ける。


「ラティ、『ミストボール』!」
「浅知恵だな、ラティアスだけしか使
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