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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二十七話 すれ違い
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がキャロに対して劣等感を抱くとは思えない。
「そしてスバル。身体能力が段違いに高く、魔力値に至ってはフォワードの中で一番。なにより、ナカジマ三佐と言う家族の後ろ盾もある。でもね…」
そこまで言って、アルトさんはオレを見る。
「一番意識しているのは、アスカだと思うの」
え?オレ?何で?
訳が分からない。自分で言うのも悲しいが、オレには特化した能力なんてない。
「まさか!オレなんて防御がソコソコ硬いのと、少しばかり足が速いくらいですよ」
ちょっとかいかぶり過ぎってもんでしょ?
でも、アルトさんは真剣に言ってくる。
「防御魔法はミッドとベルカのハイブリッド。それを活かす為に【魔力回路の加速】って言う独自理論を実装させて、実戦で使っている。カードリッジシステムで行う事を生身で再現した実績に、対AMFを生み出した発想力。この二つだけで充分意識するよ」
「で、でも…」
「でもね。これが本命のような気がするんだけど、対AMFの実績をアスカは捨てる事ができた。たぶん、それがティアナには信じられなかったんじゃないかな?」
「あ、あの時は任務前だったし、そんな事でもめたくなかったからですよ」
「アスカはそういうのに拘らないから普通の事だと思ってるかもしれないけど、向上心の強い人は、場合によっては理解できないんだよ」
「…苦労して積み上げた実績を捨てる事が、ですか?」
「うん。必死にやって手に入れた物を手放すって、簡単にはできないよ。あの時は、私もルキノもビックリしたもん」
「オレは別に、気取ってやった訳じゃなかったんですけど…」
「少なくとも、ティアナには理解できなかったんだよ。手柄を簡単に捨てる事のできる天才に見えたんじゃないかな?いま、それを捨てても次がある、みたいに」
「…」
「どうするの?正直、劣等感が理由じゃあ止められないよ。ティアナが認める訳ないよ」
オレは…答えられなかった。
「分かりません…どうすればいいんだ……」
打つ手は無かった。どんなに言葉を並べたって、ティアナが納得しない限り止める事はできない。
「明日は、もう隊長達との模擬戦だよ…どうしよう…」
アルトさんも手詰まりのようだ。休憩室がシンと静まりかえる。
結局、答えは出なかった。
オレはアルトさんに礼を言って別れて、自室に戻る事にした。
足取りは重い。
「オレが、あの時ちゃんと抗議を出しておけばティアナを追いつめる事は無かったんだろうか?」
いや、それだけとは思えない。
オレとティアナとで比べたら、総合的に見てティアナの方が優秀だろう。
ティアナもそう思う筈。
たとえ対AMFの実績を積み上げたとしても、そんなのは一
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