第15話『勇気ある誓いと共に〜流星達の決意』
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そこには、一人の女性がいた。
夜の風がかすかに吹き、今この場に居合わせている者達の頬を撫でる。
女性は元傭兵だった。小さな村に雇われて、近隣諸侯の野盗を追い払う仕事を引き受けていた。害虫駆除と言えば聞こえが悪いが、今の仕事は当てがない。お金がなくなって、ある目的をもった旅が継続できなくなっていたからだ。
「あんた達……他に仲間は?」
男たちと距離を取りながら、女性は簡潔に訪ねる。
「知ってどうする?」
男たち――今回の標的となる野盗はぺっと唾を吐き捨てる。
「ここ最近収穫がなくて気がたってんだ!『乱刃』!てめぇのせいでな!」
そんな夜盗の火を煽るような怒りを、乱刃――フィグネリアは鼻で笑った。今更何を言ってるんだ?と障害物が目の前に現れたのなら、それを燃やし尽くせばいいだけの事じゃないか。
「……ったく。本当ならここでこんなことしている場合じゃないのに」
そうぼやきつつも、フィグネリアにも殺る気がみなぎってきた。言いたい事。成したい事があるならば、言葉でなく力で語れと、瞳に宿した意思で野盗たちに訴える。自分も早く掃討を終わらせて、早々にここを発ちたいのに。
野郎ども!たたんじまえ!そう野盗の頭角が号令を飛ばそうとしたとき――
「女性一人に複数人掛かりとは、随分と卑怯じゃないか!」
一人の長身の青年が、フィグネリアを庇うような形で躍り出た。
『流星の勇者』・『銀閃の勇者』等の異名で呼ばれる、獅子王凱その人だった。
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