第三十八話 ミッドウェー本島ヲ攻略セヨ(その2)
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他方ハワイに向かった鳳翔たち機動部隊は、そこで信じられない光景を目にしていた。
ハワイに所せましと展開して停泊していたのは、深海棲艦ではなかったのだ。
「こ、これはどういうこと!?どうして民間船がいるの?ううん、イージス艦もいるけれど、それに人間が歩いているわよ!!」
瑞鶴が信じられない顔をしていた。意気込んで出撃してみれば、ハワイには深海棲艦たちの姿はなく、代わりに人間たちがいるというのだから。予想とは180度違ったベクトルの光景を見せつけられた一同は唖然としていた。
「これは、きっとノース・ステイトの人たちでしょう。」
鳳翔が言った。鳳翔にしても予想だにしていない光景にどうすればいいのか、考えあぐねていると言った格好だった。
「ノース・ステイト!?生きているか死んでいるかもわからなかったのに!!これ、戦争と全然無縁の光景じゃない!!」
「瑞鶴、違うわよ。よく見てみなさい。みんな臨戦態勢をとっているし、上空には航空隊が展開しているわ。」
翔鶴が指摘した。
その時、港湾から数人の人間が滑ってくるのが見えた。いや、洋上を走ってくるということは、鳳翔たち同様艦娘なのだろう。
「この現世の戦時国際法では・・・。」
日向がつぶやいた。
「敵国でない印に緑の旗を掲げるということだったな、伊勢、持っているか?」
「もちろん!」
伊勢がさっと緑の旗を掲げた。すると、向こうの艦娘たちはいったん立ち止まり、何やら話していたが、すぐに3人だけがこっちに向かってきた。さっきまでとは違い、臨戦態勢を解除した格好である。
「Hi!!Girl`s!!」
先頭に立った明るい金髪を三つ編みにして後ろにたらした青い目を持つ艦娘があいさつした。彼女は太平洋のマリンブルーを思わせる青い制服に白のスカートをはいて、青い小さな帽子を斜めにちょこんとかぶっている。
「まいったな、金剛がいれば通訳してもらえたのに。こういうことを全然考えていなかった。」
日向が珍しくうろたえた顔をしている。それをきいた先頭の艦娘が「Oh!!」と声を上げた。
「あぁ!!あなたたちがヤマトの艦娘なのね!!」
いきなり母国語で話しかけられた面々はびっくりして飛び上った。
「へいきへいき。私、ヤマト語話せるから大丈夫よ。私はダコタ、サウスダコタ級1番艦のサウスダコタよ。ここのハワイの艦隊の旗艦を務めているわ。よろしくね!」
鳳翔たちはびっくりしながらも、こもごも自己紹介をした。サウスダコタはいちいち嬉しそうにうなずきながら、一通りの自己紹介が終わると、一人の艦娘を引っ張ってきた。
「そして、こっちがインディアナ、私の妹。」
「は、初めまして!」
初々しそうに、金髪をまっすぐに伸ばした緑の眼をした美人があいさつした。来ている服はサウスダコタとそっくりそのままだった。
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