第三十八話 ミッドウェー本島ヲ攻略セヨ(その2)
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令!エセックスはホーネット、エンタープライズ、ワスプを集めて。重巡、軽巡、駆逐戦隊にも出動命令!戦艦部隊はインディアナに呼び集めさせるわ。」
「了解ですわ。すぐに艦載機を使って、皆を集めますわね。」
「さぁ!」
サウスダコタはヤマトの艦娘たちに振り返った。
「準備が良ければ、ミッドウェー本島まで私たちを案内してくれる?」
艦娘たちは一斉にうなずいた。
* * * * *
ずらりとならんだ深海棲艦の大艦隊が艦娘たちを包囲している。
「どういうことなんですか?」
紀伊が長門と赤城に説明を求めた。苦渋の表情を浮かべながら長門が説明を始めた。
長門の水上部隊、赤城の水上部隊は勝ち戦を収めつつあった。だが、紀伊たちが中間棲姫を撃破した直後、海上の様相は一変した。すさまじい数の深海棲艦が出現したばかりか、全員フラッグシップ級というありえない編成であり、しかも士気が狂ったように高かった。
当初善戦していた彼女たちも押され気味になり、中央に追い詰められていったのである。
すなわちミッドウェー本島の方角に――。
長門と赤城が紀伊たちに手短に敬意を語る間、敵は包囲体制のまま一定の距離を保ったまま動かなかった。まるで最後の時をあざ笑うかのように見守っていると言った格好である。
「くそ!!こんなことになるとは!!」
武蔵が息を吐いた。
「これじゃ包囲されてすりつぶされるのも・・・。」
「時間の問題よね。」
北上と大井が珍しく弱気になっている。他の艦娘たちも大なり小なりそうだった。これまでの戦闘で無傷ではなかったし、疲労も溜まっている。そんなところに新手の新鋭が来たのだからたまったものではない。
「降伏か、性に合わんな。」
長門が腕を組んだ。
「あぁ。武人としてはこの状況、本懐だな。一隻でも多く敵を道連れにしてやる。」
武蔵が言った。
「武蔵・・・・すまなかったな、こんなところまで一緒に――。」
「なに、気にするな。とても楽しかった。」
長門と武蔵ががっちりと手を組んだ。その脇では加賀が赤城を何とも言えない目で見つめている。
「赤城さん・・・・。」
「加賀さん、ありがとう。今までこうして肩を並べて戦えて、私はとても楽しかった。」
赤城が穏やかな表情をしている。加賀も、他の艦娘たちも、大なり小なり同じ顔だった。すべてを悟って従容として受け入れようとする者の顔だった。
「何を言っているんですか!!」
鋭い声が飛んだ。皆が振り向く。紀伊が、紀伊だけが燃える様な目で皆を見ていた。
「まだ、終わっていません!どうしてそう諦めようとするんですか!?」
紀伊が声を上げた。
「だが、この状況では――。」
「勝ち目はあります!!」
紀伊が叫んだ。
「あれを、倒せば・・・・・!!」
湧き上がってくる痛みに耐
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