第三十八話 ミッドウェー本島ヲ攻略セヨ(その2)
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に電撃攻撃の許可を!!」
「は、はいっ!!」
インディアナが慌てふためいて島に引っ返していく。その道々全艦隊に戦闘用意を号令していくのが聞こえた。
「ダコタ。」
エセックスが話しかけた。
「わたくしたちは、準備が整い次第、すぐにミッドウェー本島に発進したほうがよろしくなくて?」
「総司令部の許可を得ずに?」
「許可なんて待っていたら、いつまでたってもおりませんわよ。事態は一刻を争いますわ。」
「確かにそうだわ!あの鈍足な総司令部の決定待っていたら、日が暮れてしまうもの!わかった!」
ダコタは息を吐いてうなずいた。
「エセックス、手の空いている者は防衛任務の者を除き、残らず出撃するように連絡してくれる?」
「わかりましたわ。」
「あの、そんなことをしていて――。」
「いいの!」
鳳翔の問いかけにサウスダコタが声を上げた。
「私たちが昼寝している間に、あっちじゃ死に物狂いで戦ってるんでしょ!?行かなくちゃ駄目よ!それもすぐに!!」
「でも――。」
つい忘れていたが、鳳翔たちヤマトの艦娘とノース・ステイトの艦娘たちとは深い因縁がある。どっちも仲間を相手に沈められていたし、どっちも多数の相手国民を殺しあったのである。恐る恐るそれを暁が言い出すと、サウスダコタは話にもならんというように手を振って制した。
「そんなものは前世は前世じゃないの。今は今よ。それとも、私たちに支援を受けるのが嫌なの?」
「違うわよ!ただ、その、私たちもあなたたちのこと、色々沈めちゃったりしたし――。」
瑞鶴が口ごもると、
「それはこっちだって同じよ。というか、こっちが最終的に勝ったし、あんたたちをビキニ岩礁で実験につかったりいろいろしたし!それを言うとキリがないわ。私たちは・・・。」
サウスダコタは手を差し出した。
「現世で同じ艦娘。同じ仲間。この現世では恨みっこなし!それだけで十分じゃない?私は同じノース・ステイトの海軍総司令部の人間よりも、あんたたちのほうが好きよ。一目会った時からね。総司令部がゴタゴタいうんだったら、私だけでも単独出撃して見せる!!」
サウスダコタの意義込みに、あっけに取られていたヤマトの艦娘たちは次第に深い感動を覚えていた。
このために、ここまで苦難の道を歩んできたのだ。仮にノース・ステイトにたどり着いて、之とは反対の冷ややかな扱いを受けるか、深海棲艦たちに跳梁されて廃墟と化したノース・ステイトを見てしまったりでもしたら、そこで気力体力は吹き飛んでいただろう。
「ありがとう。」
鳳翔はしっかりとサウスダコタの手を握りしめた。サウスダコタはそれを握り返しながら、
「エセックス。」
「はい。」
「インディアナが先に行っているけれど、改めて指令よ。」
エセックスは直立不動の姿勢になった。
「全艦隊に出撃命
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