第三十八話 ミッドウェー本島ヲ攻略セヨ(前編)
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が叫び、続けざまに主砲を斉射してきた。さらにその横合いから空母棲姫が続けざまに艦載機を発艦させてきた。
「空母棲姫まで!!あの艦載機隊は、私が引き受けます!!姉様たちは先に行ってください!!」
讃岐が叫んだ。
「駄目!!この作戦は絶対に足を止めないことが条件なの。讃岐、艦載機を指揮して防ぎつつ、手におえない敵は防空砲撃に任せなさい!!」
紀伊が叱った。
「わ、わかりました!!敵機、来ます!!皆備えて!!」
讃岐の言葉とともに無数の敵艦載機が襲い掛かってきた。ヲ級フラッグシップとは比べ物にならない練度である。最初から至近弾が降り注いできた。
「烈風隊!全力迎撃!!」
讃岐が叫んだ。烈風隊が迎撃に向かうその合間をかいくぐって、攻撃隊が残存戦艦棲姫に集中攻撃し、これを撃沈した。
「防空戦闘なら、この麻耶様に任せな!!」
改二となって対空偽装を大幅に強化した麻耶が紀伊型空母戦艦を守るようにして阿賀野たちとともに輪形陣形を展開して凄まじい弾幕を形成した。
「あぁ!いいじゃない!防空駆逐艦がいなくたって、私たちだけでもやれるよね!」
阿賀野が誇らしそうに言った。
「危ない阿賀野姉ッ!!」
能代が叫んだ。
「え。何?・・・・きゃあっ!!!」
阿賀野に艦載機からの爆弾が命中し、大爆発が海上に広がった。
「だ、大丈夫!?」
艦娘たちが動揺したが、紀伊が叫んだ。
「足を止めないで!!全速前進!!吹雪さん、阿賀野さんを護衛して退避してください!!」
「え?でも――。」
「足を止めている暇はないんです!!早く!!」
「わ、わかりました!!ご無事で――。」
吹雪はけがをした阿賀野を支えるようにして後方に下がっていく。
「き、紀伊さん、私――。」
何か言いたそうな阿賀野に対して、
「後で聞きます。・・・今は戦闘中です!!」
背中を向けながらそう言い捨てて紀伊は吹雪をせかし、そして自分はまっしぐらに空母棲姫に突入していった。主砲が発射される。轟音と共に空母棲姫が四散して吹き飛んだ。
「阿賀野姉。」
能代が怖い顔をしていた。
「紀伊さんは阿賀野姉を嫌ったんじゃないの。それだけ今回の戦いは厳しいの。誰かをかまっている余裕も叱っている余裕もないの。」
それだけ言うと、能代もまた皆を追って走り出していた。
「・・・・・・・・。」
阿賀野は悄然としてそれを見送っている。広い洋上に二人だけ残された。
「さぁ、行きましょう。」
吹雪が阿賀野を促した。
この時、赤城率いる機動部隊は敵の機動部隊を洋上に吸引して一大航空戦闘を指揮していた。
敵は空母7隻、対するにこちらは第一航空戦隊、第二航空戦隊の4人だったが、その練度と士気はすさまじく高かった。
何しろ彼女たちは前世でミッドウェー本島に肉薄しながらそれを落とせず、かえっ
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