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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第三十八話 ミッドウェー本島ヲ攻略セヨ(前編)
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になるのだ。
 紀伊型空母戦艦4人は艦載機隊を発艦させて万が一に備えた。艦娘たちは全速力で白波を蹴立てて走り出した。紀伊、そして尾張を先頭に、ちょうど複縦の陣形である。紀伊が左翼艦隊を、尾張が右翼艦隊を指揮している。
「紀伊!!」
尾張が叫んだ。
「1時の方向から、敵艦隊!!」
「艦砲を斉射して、対処!!」
「了解!近江!!」
尾張は風に髪をなびかせながら近江を振り返った。
「はい!!・・・・各砲、全速航行射撃、開始!!」
右翼全艦隊が一斉に砲撃を開始した。その間紀伊たち左翼艦隊は左に注意しながら正面に進出してくる敵を正確に集中砲撃し、これをつぶしていったのである。

紀伊たちが最大速度で突撃してきたために、展開していた深海棲艦たちは慌てふためいていた。
こちらは停泊しているのに、向こうは航行、それも全速力で有る。まるで島を通り過ぎるようにして走り抜けていく艦娘たちに対して発砲を試みた深海棲艦もいたが、諸元がめちゃめちゃになってしまい、当たらなかった。
 あえて正面に立ちふさがろうとする深海棲艦は全力集中砲撃の餌食となって斉射を叩き込まれ、海の藻屑と消えていったのである。
『フガイナイ!!』
こう叫んだのは、戦艦棲姫たちであった。彼らは後方に待機していて前方の惨状からは免れていたが、無数に展開する深海棲艦たちの醜態ぶりを見ていらだっていた。
『タカガ艦娘デハナイカ!!我ラノ主砲ノ威力、見セツケテクレル!!』
戦艦棲姫4隻が隊列を組んで、ル級フラッグシップ以下の深海棲艦たちを引きつれて前面に出てきた。
「まだ、水上部隊の主力部隊が!?」
紀伊が愕然となった。これまでの深海棲艦たちとは違い、戦艦棲姫は装甲も火力もけた違いであり、とても一撃で沈められる相手ではない。

 それが4隻もそろっているのだ。

「紀伊!!」
尾張が叫んだ。彼女は今にも引きつらんばかりの凄まじい顔をしている。
「躊躇い無用!!全力集中射撃開始の指令を!!」
「わ、わかったわ!全砲門、開け!!」
轟ッ!!という主砲の発射音とともに巨弾が敵水上部隊に飛んでいった。火柱、水柱が無数に立ったが、敵は進撃をやめない。
「駄目!!艦載機隊、雷爆撃を敢行!!!」
讃岐の号令一下、超低空をとんだ流星改二の超雷撃隊は1600番という途方もない新型魚雷を一斉に放った。
現代の魚雷に匹敵するこの1600番は戦艦と言えども一撃で轟沈できるだけの破壊力を持っている。

轟ッ!!

という凄まじい衝撃と水柱と共に戦艦棲姫のうち2隻が一瞬で爆沈し、ル級以下を吹き飛ばしていた。
「ナ、ナンダト!?」
愕然となった一隻がつい行足を緩めた瞬間、真上から投下されたこれも彗星改二の1200番が続けざまに命中して大爆発をおこした。
「オノレ!!」
残る一隻
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