第三十八話 ミッドウェー本島ヲ攻略セヨ(前編)
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を受け取った呉鎮守府提督はすぐさま鳳翔以下にハワイへの出撃を命じていた。
「いよいよ横須賀鎮守府の連合艦隊がミッドウェー本島攻略に乗り出しました。」
会議室で鳳翔は厳しい顔を皆に向けていた。
「今回の戦いが正念場です!!今までの戦い、そして、犠牲・・・。」
鳳翔は一瞬目を閉じた。皆の顔にも綾波の事がうかんでいるに違いなかった。
「すべてはこの時のためです。いいえ、この戦いでつまずいてしまったら、今までの努力はすべて無に帰してしまいます。各員死力を尽くしてそれぞれの任務に当たってください!!」
『はい!!』
全艦隊がうなずいた。すでに南太平洋の島々は呉鎮守府の艦隊によって制圧され、航空基地の建設は終了していた。それら各基地航空隊からミッドウェーに向けて大攻撃部隊が発進している。それも一波だけではなく。第三波までもあるというすさまじいものだった。
こうしてみると、ヤマトが今作戦をいかに山場とみているかがわかるであろう。
「機動部隊、出撃です!!目標ハワイ!!港湾部に展開する深海棲艦艦隊を徹底的に爆撃・雷撃し、敵の注意をミッドウェー本島からそらします!!全艦隊、出撃してください!!!」
艦娘たちは一斉に駆け出していった。
* * * * *
零式弾の一斉射撃によって、一面火の海と化したミッドウェー本島全面海域は深海棲艦たちの阿鼻叫喚の叫びで埋まった。
戦艦、駆逐艦、重巡、空母等が焼けつくされながら消滅し、沈んでいく。それほど零式弾の威力はすさまじいものだった。
だが、それでも撃破できたのは前面に展開する一部に過ぎない。他の深海棲艦たちは金属音のような叫び声を上げながらこちらに向かってきた。
「よし、かねての作戦通り、後退する!!」
長門が叫んだ。
それぞれの囮部隊が敵との相対速度をゼロに保ちながら誘引してそのすきに攻略部隊がミッドウェー本島に突入、これを制圧する。
単純な作戦だが、それだけに連携が物を言うことになる。
敵艦隊は前進し、長門率いる水上部隊、赤城率いる機動部隊に真っ向から襲い掛かってきた。
やや後方に控えていた紀伊は水上部隊、機動部隊がそれぞれ敵と交戦しながら海域を離脱していくのを見て号令した。
「今よ!!零式弾再度装填!!」
尾張、近江、讃岐が一斉にうなずいた。
「発射!!テ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
轟音と共に青空に放たれた零式弾はミッドウェー本島前面に展開する残存部隊上空で傘を開き、再び猛烈な熱波と灼熱の渦に叩き込んだ。
閃光がおさまった。
「全艦隊、全速前進!!尾張、讃岐、近江、艦載機隊を発艦させて!!!」
紀伊が叫んだ。ここから先は側面から突撃してこようとも、正面に立ちふさがろうとも、一瞬たりとも足を止めず、全速でミッドウェー本島に突っ込むこと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ