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第七十八話 アンネローゼ様を救い出します。
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か所の支部を一斉に襲って、信徒たちを拘束しはじめ、各主要惑星においても一斉捜査が行われた。一連の指揮を執ったのはベルンシュタイン中将である。ベルンシュタインは内乱の前後の際は一時的にブラウンシュヴァイク公爵の下にいたのだが、終息してのちは再び軍務省憲兵局長としてその辣腕を振るっていた。このところあまりうだつの上がらない彼としてはここで是非にでもポイントを稼ぎ出す必要があったのである。
帝国軍憲兵隊は放射状に迅速に広がっていき、かねてから把握していた地球教徒の拠点にローラー式に襲い掛かった。これに抵抗しようとする信徒と激しい銃撃戦となり、憲兵隊は数十の死者を出し、その十倍の負傷者を出したが、信徒たちの大半は逮捕を拒む形で死亡、自殺している。この時帝都における実質的1のゴドヴィン大主教も捕えられたが、ド・ヴィリエだけは辛くも逃げ延びたらしく姿が見えなかった。この時ベーネミュンデ侯爵夫人がド・ヴィリエとの間でアンネローゼ暗殺を謀ったという書簡が発見されたため、事の次第を憂いたリヒテンラーデ侯爵はフリードリヒ4世に報告。彼女に自裁をすすめることの承諾を得た。宮廷警察は直ちに彼女を拘束しようとしたが、彼女は既に姿をくらましていた。
同時にベルンシュタイン中将は軍においても地球教徒の信徒の洗い出しを行った。思ったよりも数は多く数千人が拘束され、そのうちの半数が抵抗して射殺されるか自裁、あるいは苛烈な拷問によって死亡したのである。
「あ〜あ、やってくれるじゃないの、ベルンシュタインも。さすがは憲兵隊を仕切るだけあるわ。」
と、彼の活躍ぶりを聞いていたアレーナは半ば棒読みでヴァリエら帝都残留組にそう言ったものである。が、彼女はすぐに顔色を引き締めた。彼女の情報網から地球教徒とベーネミュンデ侯爵夫人らがアンネローゼを狙っているという報告があったからである。
「全力を挙げてアンネローゼを守り切るのよ。ベーネミュンデ侯爵夫人の居所を何としても突き止めて、捕まえてもいいわ。・・・・生死は問わない。殺してもいいわよ。」
こういう時のアレーナは凄みがある。いざというときには何のためらいもなく人を死なせる点は冷徹さにおいてイルーナでさえも上回るだろう。
エレイン・アストレイア、ヴァリエ・ル・シャリエ・フォン・エルマーシュ、アリシア・フォン・ファーレンハイトら帝都残留組は直ちに四方八方に捜索を開始した。アレーナ自身はすばやくウェストパーレ男爵夫人に連絡を取ると、男爵夫人と共にアンネローゼの館に「強引に」駆けつけたのである。
だが――。
アンネローゼの館に駆けつけると、すでにアンネローゼの姿はなかった。総身に冷水を浴びた気持ちになったアレーナは使用人に主の居所を聞き出した。使用人は最初は渋っていたがアレーナの鬼気迫る形相に恐れをなして、
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