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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第五六話 つけるべきけじめ
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必ず斬刑に処す。
「難民解放戦線(RFF)とキリスト恭順派………貴方が救った人間はそれらに所属している。そして、貴方が奴らと見える日は――――そう、遠くはないぞ。」
「……私の選択は、間違いだったのか。」
恐れていた答えを躊躇なく明かす忠亮。
血を絞るように言うイブラヒム、BETAと必死に戦い守った人間があろうことか人類に弓引く存在となり果てた―――それは結果として自らの選択が過ちだったということだ。
しかし、それに対して忠亮は肯否どちらもつかぬことを言う。
「それは知らん、全員が全員それに所属しているわけでもない。また亡国の民が苦境に立たされ、汚職が蔓延し無用な悲劇が多数生まれているのもまた事実……貴方だけに責があるわけではない。
だが……けじめはつけなくてはならんだろう。部下に死を命じたものとして、その死を無下にする行いは決して許してはならないと
己
(
おれ
)
は考えている。」
事の是非は善悪の両面を持つ。故、いくら論じても水掛け論にしかならない。
ならば、筋を通すだけ……神様にしかわからないような判断を下す必要なんぞない。
「けじめ・‥‥か」
「貴方がけじめをつけるというのならば、然るべき時―――
己
(
おれ
)
は力を貸そう。」
「忠亮さん!?」
忠亮の言葉に唯依が驚愕する。だが、それを超える内容が忠亮の口からもたらされた。
「先ほども言ったが、そう遠くはない未来に――――奴らは大規模なテロを起こす。実際は欧州連合の諜報部に踊らされてるだけの鉄砲玉だがな。」
「なんだと……!!」
「舞台は此処だ。」
床を指で指し示す忠亮、驚きが戦慄に変わった瞬間だ。
「―――だから、あいつらが使い物にならん状態では困るのだ。」
「なるほど‥‥そういう事か。」
テロによる被害を最小限に抑えるには当事者の戦闘技量が高い方がいい。また、それによって自身の婚約者である唯依の危険もある程度緩和することが出来る、
―――そのために、ユウヤたちの訓練を口にしたのだと得心が行く。
「
己
(
おれ
)
としては貴方の存在は奴らの存在意義さえも打ち砕く強力な武器になると踏んでいる。―――あなたの決断は十二分、
己
(
おれ
)
の利益になる。」
ロードスの英雄は四劫を幾度も超えてきた男に運命との対峙を言い渡されたのだった。
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