131部分:風の勇者その三
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かない!」
「ならば力づくでも渡してもらおう!」
「断る!」
セリスは毅然として言った。
「その言葉、宣戦布告と受け取れるがそれで良いのか!?」
「無論!我等解放軍はマギ団とマンスターの民衆を侵略者トラキア王国から護る為解放軍盟主セリスの名においてトラキア王国に対し宣戦を布告する!」
セリスは腰の剣を抜き剣の先をアルテナに向け昂然と言い放った。
「面白い、受けて立とう!」
アルテナも言った。だがセリスのそれとは違い何処か力無い。
「行け!」
両者は攻撃命令を下した。一斉に攻撃を開始する。
戦闘はすぐに幕を閉じた。圧倒的な兵力を誇る解放軍がトラキア軍を寄せ付けずルーメイがフィーに討ち取られトラキア軍はミーズ城へと撤退した。
戦闘を終え解放軍はマンスター城へ入城した。マギ団の者達が歓呼の声で迎える。
セリスはセティと手を握り合わせた。両者共力強い握りだった。
「有り難うございます、セリス公子。貴方のおかげでマンスターは救われました」
「いえ、私はただ貴方達の言葉に従いこのマンスターに来ただけです。勇者セティ、貴方こそマンスターの救世主です」
だがセティはその言葉に表情を暗くした。
「・・・・・・私はそんな立派な人間ではありません。トラキアの魔の手から誰一人救う事が出来なかったのですから・・・・・・」
セリスはセティの言葉に首を横に振った。
「それは違います。貴方が今マンスターにたからこそトラキア軍を退ける事が出来、多くの人達の命が救われたのです。セティ、貴方は真の勇者です」
「セリス公子・・・・・・」
セティは暫し俯いて考えた。そして晴れやかな表情で顔を上げた。
「セリス公子、私とマギ団を解放軍に参加させて下さい。帝国の圧政下に苦しむ民衆を救いたいのです」
「こちらからお誘いしようと思ってました。喜んで歓迎致します」
「公子・・・・・・」
両者は両手を強く握り合った。また新たな星がセリスの下に参じたのだ。
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