18話「ロリに100億円を貢いだが、俺はロリコンではない終〜魔氷剣〜」
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
悪党を退治しました!正義とロリは勝つんですっ!」
白真珠は右手でVサインをしている。花が咲いたようなアホっぽい素敵な笑顔だ。そんな微笑ましい様子を見ているだけで……彼女の小さな頭を撫で撫でしたくなるのだ。
しかし俺の予感が言っている。このままだと危ないと。ぶっちゃけ死ぬかもしれない。だから念のために――
「土操作(ノーム・コントロール!)」
道路の下にある地面を魔法で掘り返して積み上げて、即席の盾を場に展開した。こうすれば何が起きても対処できる。
いざという時は頑丈なタワーマンションに逃げ込めば、生き残れるはずだ。
そう思った瞬間――落とし穴から膨大な爆発エネルギーが発生する。巨大な氷塊を一瞬だが浮かび上がらせ、その隙間から爆風が横薙ぎに飛んできた。土の盾が爆風を受け止める。このままでは危うい。呪文の詠唱も間に合わない。
土の壁が崩壊すれば、爆風に押されて土の弾丸と化すはずだ。しかし、その前に――
「えいっ!」
白真珠の魔氷剣が土の盾を凍らせる。爆発エネルギーに耐えられる頑強な盾と化し、そのエネルギーは俺達の後方へと飛んで行く。
爆発のエネルギーが減衰して無くなる頃には……周りのビルの一階や二階にあるほぼ全ての窓ガラスが割れていた。とんでもないエネルギーだ。砕け辛い防弾ガラスすら壊すとなると……これはもう……。
「この爆発力……どうやら、本格的にタワーマンションをぶっ壊す気だったようだなぁ……いや、この程度の爆発でも壊れないくらいに頑丈だったか?」
俺は後ろを振り返る。俺の住むタワーマンションには窓が少ない。窓があれば狙撃の対象となり、不法侵入者の侵入ルートを増やす事になるから少ないのだ。壁の表面に小さな傷跡が出来た程度で、被害はほとんどない。
……火事になったら膨大な犠牲者が出そうだが、冒険者なら内側から壁をぶっ壊せるだろうし、そもそも魔法で消化活動できるし……いや、それよりも――
「……白真珠。ここから見える範囲内に、変なスイッチとか携帯端末を手に持っている不審者はいないか?」
「はいっ?」
「今の爆発のタイミングから考えても……爆発させるスイッチを持った犯人は、ここから見える範囲内に居るはずだ。お前の素晴らしい視力で周りを見てくれ」
「んー、分からないです。ほら見てください。あっちこっちのビルにいる人がこっちを見てますよ?」
……なんて事だ。今の爆発騒ぎで大勢の人間が俺たちに注目している。高層ビルにいる有象無象が仕事を放棄し、あるいは買い物を中断して窓際に拠ってきているのだ。
その数は千や二千では効かない。幾らなんでも白真珠の視力が凄く良くても、この中から犯人探しができるはずもない。今の騒ぎを知人に伝達しようと、携帯端末を片手に通信している奴が山ほどいるのだから。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ