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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第七話 自分で行かなかったのは多分面倒とかそういう類
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るには彼も人の思考に近いものとのだと」

二人の騎士は突然現れた彼に目を向きこそすれ特に驚きはしない。ラインハルトも突然現れた彼の発言に興味深げに聞く。

「使いか、してその発言の意味するところは何だ?」

使いと呼ばれた彼は頭を下げたままの体勢で応える。

「我が主の意図するところは私ごとき存在に計り知ることは出来ぬでしょうが憶測でよければ語らせていただきますが」

「構わん、続けろ。彼の造った存在だ。あながちはずれというわけでもないだろう」

彼の額には666(Nrw Ksr)と書かれており、よく見れば、いやよく見ずとも彼は諏訪原大橋にて蓮に殺されたアルフレートの造った人造生命体であった。

「は、ではまず仮に彼女という存在をそもそも愛でることが彼に出来るのでしょうか?」

「ほう、どう言うことだ?」

「つまり元々彼女という存在に対して彼が触れることが出来ない理由があるのではと言うことですよ。我が主は仰っていました。彼ほど報われない者もそうそう居ないと」

「つまり、カールか彼女か、そのどちらか或いは両方に問題があると言うことか」

「さようでございます。流石は我が主も敬服する御方だ。聡明であられます」

「用はそれだけか?ならせめて楽しんで逝け。ここは限られているとはいえ地獄(ヴァルハラ)なのだから」

そう言った直後、シュライバーに首を刎ねられる。思考が止まったのか微動だにせぬままに彼は死にその魂は崩壊してしまった。

「お怒りでしょうか、ハイドリヒ卿?」

「少し、な。私はどうやら彼に信頼されていなかったらしい。だから彼はこれを送りつけてきた。故に少々楽しみでもある。
どうやら彼は機を逸すれば手を出すつもりらしい。楽しみではないか―――ザミエル」

「はッ」

故に、彼は命ずる。獣の支持にはたとえどんな命にも、彼女は疑問を懐かず徹底的に遂行する。
そうした局面において、この女に遊びは無い。一切の過不足なく目的をはたす装置の役割をこなすだけだ。それは破壊と暴力しか成せない装置だが……

「第五は卿の手で開け。多少無理もあろうが、少々強引に出て構わん。後続が潜り易いよう、道を大きくしておけよ
然る後、カールの代替と遊んでやれ。卿の(ローゲ)でな、鍛え直すがいい」

「了解いたしました(ヤヴォール・)、我が(マインヘル)

赤騎士(ルベド)はそう言ってから立ち上がると、一礼して玉座を出て行く。すると彼女の後へ続くように、壁と床と天井が波打って紅蓮の背を追いかけ始めた。
それはこれより出陣する者達の声。一個軍団規模の魂が城より剥がされ、赤騎士(ルベド)の手勢として戦場へ投入される。

「さて、彼女は加減を知らんぞ。芯のない鈍刀(ナマクラ)ならば溶け落ち砕ける
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