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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第七話 自分で行かなかったのは多分面倒とかそういう類
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れば君は敵となる。今ここでいる間だけ僅かな一時を楽しんだほうが良いよ」
「まるでアンタは戦わないみたいな口ぶりだな」
「そんなことは無い。君達と僕が出会っても戦いになるよ。だからここで話しておきたいことは話したほうが良い。もっとも質問とかに答える気は無いけど」
「捕らえてたときは答えたじゃないか」
あの時は一つだけという条件だったけど質問には答えてくれた。なのに今度は答えないってのは如何いうことだ?
「あれは言わば正当な報酬だよ。大橋で僕を跳ね除けライニに立ち向かった。それに対する正当な評価を下しそれに見合う対価を支払ったということさ」
「じゃあアンタが俺のことを人形って言うのも評価を見せれば直すって事か?」
「ああ、理解してたんだね。自分のことを言われてたんだって。そうだね君が頑張りを見せれば名前で呼ぶのも吝かじゃないよ」
「だったら覚えとけ。俺の名前は藤井蓮だ。次にあったときは絶対にそう呼ばしてやるよ」
「だったら期待せずに待ってるよ、人形」
******
―――教会入り口前―――
「さて……」
クリストフは一人そう呟く。アルフレートがいないこの状況でしか話せないこと。だからこそ彼が藤井蓮と話しているのはクリストフにとって僥倖だった。
「ベイ、マレウス、レオンハルト―――バビロン、そしてトバルカイン」
声に対して彼らは姿を現さない。だが聞いているのは間違いなく、ゆえにクリストフは先を続けた。
「じき、夜が明ける。そのときをもって、本格的な開戦とします。もはや止めぬし、邪魔も入れぬ。存分に、狂い乱れるが良かろう。今現在、開いたスワスチカは二つ。
そのどちらも、ハイドリヒ卿へ捧げる有資格者を欠いている。キルヒアイゼン卿とシュピーネ。この二つにおいて、黄金の恩恵は誰にも授けられることは無い。
だが、残り六つ―――そして我らもまた六人。無駄に欲をかかなければ丸く収まるはずだったんですが……ここで予期せぬ事態が起きた。
分かっているでしょうがナウヨックスのことです。我々が予期しなかった七人目。しかし、これでは数が合わない、誰かが溢れる事となる。それは出来れば避けたい事態だ。
ゆえにまずは五つ―――すなわちこれより三つ。開くことを許可します。彼が動き出す前に先手を打たねばならない。ただし同日のうちに開くのは重複しても二つまで。そこは守らねば“核”の身が持たず本末転倒となる。では―――虐殺よりも戦争を、汝ら皆に幸いあれ。ジークハイル」
「「「「ジークハイル・ヴィクトーリア」」」」
斉唱と共に気配が散る。それを見るともなく見送ってから、トリファは声を落として含み笑った。
「まったくこれは救いが無く、かつ面倒なことになって参りましたよ、
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