第十章 仮想世界
第11話 『或守』
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は確信した。
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あの後、士道は或守に少し怒られた。理由は自分とのデート中に女の子に目移りしたからだそうだ。妹に話しかけられて反応しない兄はいないと思うのだが、思ってた以上に或守は嫉妬深かった。士道は拝むように手を合わせながら或守に謝り、何とか許してもらえた。
上条許すまじ。
デートを続けていた士道と或守だったが、途中で亜衣麻衣美衣の三人に見つかりかけたので一旦分かれることにした。デート姿をあの三人に見つかった次の日にはあらぬ噂が学校中を巡ることになるだろう。それだけは絶対に避けなければならない。
こうして、或守とのデートを終えた。
そしてこの街を紅く照らしていた太陽は今日の仕事を終えたから帰りますと定時をしっかり守る新人社員のような勢いで沈んでいった。
もう辺りはすっかり暗くなってしまった。
士道「琴里に怒られるかもしれん……早く帰ろう」
冷や汗をかきながら士道は駆け足で家に帰ろうとした。
と。
上条「あれ、士道じゃねーか」
横の小道から上条が現れた。
士道「上条?お前こんなところで何やt……ってそういやお前今日飯の当番だったな」
上条の両手には野菜や肉がたっぷり入っているであろうスーパーの袋がある。
上条「まあな。いやー今日は食材が生きててよかったですよー。この前は不幸が重なって……」
士道「お前の不幸自慢はもういいから。早く帰るぞ」
上条「」
なんか涙目になっているようでなっっていない上条を置いて士道は再びまっすぐ家に帰ろうとした。
と。
或守「……」
家に帰っているはずの或守が現れた。
士道「上条の次は鞠亜か。なんでこんな時間帯でこんな短時間に知り合い二人と遭遇するんだ……どうしたんだ鞠亜。どこか出かけるのか?」
上条「……お前、本当に或守……か?」
士道は目の前の女の子のことを或守鞠亜だと思っているようだが、上条にはとてもそうは思えなかった。
容姿、背格好は似ているが鞠亜は白を基調とした修道服のような服だったのに対して目の前の彼女は黒を基調としている。おまけに髪の色もところどころ白が混じっているが大部分が黒で染まっているし、瞳の色も鞠亜が青だったのに対して彼女は黄色だ。
その鞠亜に似た女の子は上条の言葉を聞いて何故か笑みを浮かべた。
士道「おーい、鞠亜――」
と、鞠亜との相違点に未だに気づいていない士道は鞠亜に似た少女を呼んだ。
すると、彼女は逃げるように上条達から背を向けて走り出した。
士道「え……あいつどこに行ったんだ?」
或守を追いかけるために士道も走り出した。
上条「お、おい士道!って、
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