暁 〜小説投稿サイト〜
とある3人のデート・ア・ライブ
第十章 仮想世界
第11話 『或守』
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放課後。

士道「どうだった?学校一日目は」

士道は或守が座っている机の方へと向かい、今日のことについて訪ねた。

或守「はい。とても充実した時間を過ごせました。でも、まだ足りません」

士道「足りないって、何が?」

或守「愛です」

言われて、士道納得した。彼女の目的は愛を知ること。それを知るために今ここに士道や上条達を連れてきたのだ。

或守「士道、私とデートしてください」

士道「デートって……」

或守「嫌、ですか?」

士道「嫌じゃないけど、鞠亜がそう言うなんてなんか珍しいなぁって思ってさ」

或守「私がデートに誘うのはおかしいですか?」

士道「そんなことはないけど……」

と、士道はこの時或守のある変化に気づいた。

士道「最近よく笑うようになったな」

或守「そうでしょうか?」

士道「うん。上条もそう思うよな……ってあいつ何してるんだ?」

士道が上条の方を向いた時には上条の机の周りで上条ハーレムが出来ていた。数人の女子達が意地でも名前を覚えてもらおうと必死である。ちなみに蚊帳の外の男子どもは唇を噛みしめてそれを見ている。

士道「あの野郎……俺たちを敵に回すようなことしやがって……」

或守「それよりどこにデートに行くか決めたいのですが……」

士道「そうだったな。或守はどこがいい?」

或守「私はこの町を見て回りたいです。大丈夫ですか?」

士道「問題ないよ。じゃあ行くか」

或守「はい」

デートをする場所も決めて二人は教室を出て行った。その時、クラスの男子の大半が士道を睨み付けていたのは別の話。



――――
―――
――



二人は学校を出た後、いつもなら買い物などで利用している天宮市商店街に来ていた。

ここは服屋や本屋や喫茶店など、他の商店街とはひと味違うラインナップがここには揃っている。そんな士道も夕飯の買い物や精霊達のデートスポットとしてこの商店街にお世話になっていた。

士道「鞠亜はここに来たことがあるのか?」

或守「いえ。ちゃんと歩いたことがないので、新鮮です」

士道「でも鞠亜はこの世界の全てを把握してるんだから知らないことはないんじゃないじゃ……」

或守「情報としては理解しています。でも実際に歩いてみると少し違う印象を受けます」

士道「そうか?よくわからんが……」

或守「はい。建物はよく見えるし、通りはとても賑やかです」

そう言いながら、或守はくるくると回ってみせる。随分とはしゃいでいるようだ。

あまり或守らしくない感じもするが。

士道「俺にはいつもより寂れて見えるけどな」

或守「士道の世界はもっと賑やかなんですね」


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