129部分:風の勇者その一
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く言った。
「聞こえなかったのか、トラキアに逆らう者は武器を持たぬ者であろうが一人残らず殺せと言ったのだ」
「父上、それは・・・・・・!」
アルテナは思わず父王に詰め寄った。
「どうした、何か不服か?」
「騎士として敵と戦うのならば喜んで従いましょう、ですが武器を持たぬ者まで手にかけるというのは・・・・・・」
王の瞳の色が複雑に変わった。
「フン、甘い事を。これは戦争なのだぞ」
「しかし、それは騎士として・・・・・・」
「よせ、アルテナ。父上に逆らうな」
アリオーンが間に入った。
「兄上・・・・・・」
「御前は父上の言われる通りにすれば良いのだ。父上の御考えを知らないからその様な事を言うのだ」
「はい・・・・・・」
兄の言葉に彼女は大人しく頷いた。アリオーンは父王の方を振り向いた。
「父上、アルテナをお許し下さい。戦を前にして気が高ぶっているのです」
「・・・・・・フン、まあ良いわ」
王は再び諸将の方を見た。
「コルータ、ルーメイ、ドオルザーク、マクロイはアルテナの指揮の下マンスターとフィアナへ向かえ」
「はっ」
「セイメトルとマイコフはミーズ城で守りを固めよ」
「はっ」
「わしはアリオーンと共にトラキアへ戻り本格的な戦争準備に入る。それが終わり次第すぐにミーズへ向かう。この戦いに我がトラキアの命運がかかっている。何としてもマンスターを陥としレンスター全土を手に入れるぞ!」
「はっ!」
トラバント王がアリオーンと共にトラキア城へ向かうと同時にアルテナ率いるトラキア軍二万も北へ向けて進撃を開始した。目指すはマンスターである。
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