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フロンティアを駆け抜けて
5VS6!ZワザVSメガシンカ(2)
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たって、ジェムは自分のしたいことをしてよかったんだよ」

 これらの言葉は、他ならぬジェムの父親に命を拾われたジャックには言う権利のなかったこと。誰かがジェムの抱いている幻想を壊してくれなければ、ジェムの心には響かなかったことだ。

「だけ、ど、私……どうす、ればいいの……?」

 ジェムはすすり泣きながら、ジャックに聞いた。ジェムが今まで頑張ってきたのは全部父親に近づくためだから、それを否定されてしまえばフロンティアにいる理由さえなくなってしまう。

「残念だけど……それは僕には答えられない。僕だって、昔唯一の生きる理由であるバトルが楽しめなくなって自殺しようとした人間だからね」

 突き放したとも言えるような答え。ジャックはすぐに続ける。

「君の父親は僕の自殺を止めた。僕に生きていてほしいし、楽しいこともあるはずだってね。事実彼とのバトルや彼のバトルを見るのは楽しかった。でもそれは、あくまで理由をなんとか思い出させてくれただけだった」

 シンボルハンターが言った、全てを解決したわけではないという言葉を肯定するジャック。肩を震わせて怯えるジェムに、ジャックは穏やかに言う。

「だけどね、ジェム。僕は君の言葉でようやく本当に救われた気がしたんだよ」
「え……?」

 ジェムが顔を上げる。ジャックは優しい顔……まるで泣き虫な妹を見つめる兄のような顔でジェムを見ていた。

「バトルピラミッドで僕と戦った後、ジェムは僕のことを家族だと言ってくれた。それを聞いて、僕はもう3000年前に失った家族に抱いていた気持ちを君たちに見れるようになったんだ。ポケモンバトル以外で生きていたいって思う理由を作ったのは間違いなく君なんだよ。君は父親を超える行いを僕にしてくれたんだ」

 ジャックは彼の着ている白い服の布で、ジェムの涙を拭いていく。突き付けられた事実とジャックの父親を超えたという言葉にとめどなく涙はあふれ出たけど、構わず涙を拭ってくれた。

「最後にもう一つ。君が見たルビーの想いは確かに本物だけど……彼女は、あの嘘吐きが言うような人じゃないと思うよ?」

 ジャックはそこで、シンボルハンターを見た。ジャックが話している間ずっと黙っていた彼は、舌打ちして口を開く。

「……何を言うかと思えば。お前も俺の力は知ってるはずだぜ。そこのガキに見せたことは紛れもない真実だ」
「見せたものは……ね。でも人間の心は夢のように単純じゃない。さあ、ジェムはどう思う。結局のところ、親が子供のことを愛していたかどうかなんて子供が決めることだからね。幸いあの嘘吐きは君が結論を出すまで手を出すつもりはないようだし、ゆっくり考えていいんだよ?」

 何故か、あれだけ激しく厳しく言葉と真実をぶつけてきたシンボルハンターはジェムが記憶
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