5VS6!ZワザVSメガシンカ(2)
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滲む。ルビーは泣いているようだった。視線の遠く先にいるジェムは、気づきもせずに父親のことを話している。
――あの子の笑顔が、苦しい。あの子に、どんな顔を向ければいいのかが、いまだにわからない。あの子を産まないほうが……ボクは、幸せだったかもしれない。
(――――――!!)
決定的な一言だった。さっき男や少年に蹴られたり突き飛ばされた時とは比べ物にならないほどの、鈍器で頭を何度も殴られたような強烈な眩暈と苦痛が襲った。自分の心が、ルビーの身体から離れていくのを感じる。
(そう、なんだ……お母さま、私のことなんて……)
胸が張り裂けそうだったけど、夢の中をふわふわ浮いているようなジェムの意識は泣くことが出来なかった。ただひたすら、自分の信じていたものが木っ端微塵に砕けたことだけを考えていた。どう考えても、自分が見てきた母親の顔と今見た母親の一連の記憶からは一つの結論しか浮かばなかった。
(好きじゃ、なかった。お母様は、私なんていないほうがよかったんだ)
意識は薄れ、再び目の前が真っ暗になる。ジェムの意識は、現実に引き戻されていった。
「……あ」
ジェムの意識が、現実に帰る。夜の墓場、視線の席にいるフードを被ったシンボルハンターを見て、自分が何をしていたか思い出した。闇に覆われ、体を黒く染められながらもメガヤミラミとメガクチートは自分を守っていてくれた。
「ようやくお目覚めか。真実を知った感想はどうだよ?」
「……」
シンボルハンターはジェムを嘲笑うように言葉を放つ。あの技に取り込まれる前の自分なら食って掛かり、許せないと思って戦ったはずだ。だけど、ジェムは動けない。彼は嘘なんてついていなかった。騙されていたのは……いや、勝手にジェムが勘違いしていただけだったのだ。どう接していいかわからず本心を隠していた母親の態度を、勝手に愛されていると思い込んでいただけだった。ダイバにあなただってお母様に愛されているなんて言ったことも、ただ妄想を押し付けているにすぎなかった。
「打ちのめされたかよ。だったらもう降参するか?続けるってんなら容赦はしねえ。だがそんな状態で俺と戦ったところでお前の負けだ。せめて自分のポケモンが傷つく前に諦めるのが優しさってやつじゃねえのか?」
「あなたの言うことは、間違ってなかった……でも、私はポケモンバトルをやめたりなんてできない。お父様みたいに……」
「お父様がそんなに偉いかよ。自分の妻と娘がこんな歪な関係だって知っててもみんなを笑顔にするっていう仕事を優先するチャンピオン様がよぉ!」
「……ッ!!」
否定したかった。自分の父親まで否定されたらもうジェムを支えるものはなくなってしまうから。でもできなかった。だってさっき見た記憶の中の父
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