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エターナルユースの妖精王
小犬座の星霊
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シィの横で、ナツが勢いよく座り込んだ。どうやら彼には伝わっていたらしい。

「星霊かあ……確かに雪山じゃ牛に助けてもらったなあ」
「そうよっ!!アンタはもっと、星霊に対して敬意を払いなさい」
「あん時はルーシィがついて来るとは思わなかった。けど…結果ルーシィがいなかったらヤバかったって事だよなあ。よーく考えたらオマエ、変な奴だけど頼れるしいい奴だ」
(コイツに変な奴って言われた!!軽くヘコむわね)

ルーシィからすればナツの方が変な奴なのだが。

「そっか…」
「な……何よ?」
「ナツ、どうしたの?」

目線を上げ考え込むナツに、つい訝しげな視線を送ってしまう。彼の考えが読めないのはハッピーも同じのようで、不思議そうな顔を向けていた。

「よし!!決めた!!!プルーの提案に賛成だ!!!」

暫し何やら考えて居たナツが、座り込んだのと同じ勢いで立ち上がる。

「オレ達でチームを組もう!!!」
「チーム?」
「なるほど―――っ!!!」

ナツの提案にハッピーは飛び跳ねているが、ルーシィにはいまいちピンとこない。団体行動なのだろう、とはなんとなく解るのだが。
そんな様子に気づいたらしいハッピーが、片手を上げて説明してくれる。

「あい!!!ギルドのメンバーはみんな仲間だけど、特に仲のいい人同士が集まってチームを結成するんだよ。一人じゃ難しい仕事も、チームでやれば楽になるしね」

少し考える。
ルーシィはまだまだ新人の魔導士だ、一人で出来る仕事は多くない。一度ギルドに入る依頼をじっくり見た事があるが、その内容の大半は魔物を倒せだの賊の退治だのと所謂討伐系で、かといってまだそんなに話した事のない魔導士達に声をかけるのは少し気が引けていた。
だが、チームを組むのなら話は変わってくるだろう。仕事の際も声をかけやすくなるし、無理だと避けていた依頼もいくらか受けられる。
悪い話ではない。むしろ好都合だ。それに、仕事云々抜きに心が躍る。

「いいわね!!それっ!!!面白そう!!!」
「おおし!!!決定だ―――っ!!!」
「契約成立ね!」
「あいさ―――っ!!!」
「プーン」






「……いい事だろ?別に騙しても騙されてもないんじゃ…」
「ここからよ!!ここまではまだよかったの!!!」

ニアはちょっと疲れ始めていた。まだ部屋から一歩も出ていないが、よく考えたら朝食もまだの寝起き状態なのだ。体力の消耗はないが体力の源である食事も摂っていない、その状態での長話は結構きつい。が、どうやらここからが本番らしいルーシィの話を、ここまで聞いておきながら遮ってしまうのはどうにも気が引けて、一言「まず飯が食いたいんだが」とは言えず。
……きゅるる、と小さくなった腹の虫に、全力で無視を決め込んだ
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