暁 〜小説投稿サイト〜
エターナルユースの妖精王
小犬座の星霊
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計座のホロロギウム、南十字座のクルックス、琴座のリラ」

持ち手に時計の針が描かれたもの、上が長い十字架のもの、ハープが描かれているもの。その三本を指していた指が、今度は金色の三本を指す。

「こっちの金色の鍵は黄道十二門っていう(ゲート)を開ける超レアな鍵。金牛宮のタウロス、宝瓶宮のアクエリアス、巨蟹宮のキャンサー」
「巨蟹宮!!!カニかっ!!?」
「カニー!!!」
「うわー…また訳解んないトコに食い付いて来たし」

がたっと椅子から立ち上がるナツとテーブルの上で飛び上がるハッピーの食い付きっぷりに、思わず額に手をやる。確かに蟹は美味しいが。いまいち二人のツボが解らない。
やれやれ、と顔を上げると、一つの鍵が目に留まる。束の中にいながらテーブルの上に並べられなかったそれは、何だかんだで買ったままだったような…。

「そーいえば、ハルジオンで買った小犬座のニコラ、契約するのまだだったわ。丁度よかった!星霊魔導士が星霊と契約するまでの流れを見せてあげる」
「おおっ!!!」

港町の魔法屋で買った銀色の鍵。思ったように色仕掛けが効果を発揮せず、ニアに「オレだったら値切らない」と言われた時のあれである。思い出したらイラッとしたがそれはさておき。
そう言って立ち上がると、目を輝かせたナツとハッピーもテーブルを離れ見やすい位置に移動する。それを背後に感じながら、テーブルを背に立った。

「血判とか押すのかな?」
「痛そうだな、ケツ」
「何故お尻……」

血判、という字を勘違いしていそうなナツの言葉に呆れつつ、小犬座の鍵を持つ。

「血判とかはいらないのよ、見てて」

目を閉じる。左手は胸に、鍵を持つ右手は真っ直ぐ前に伸ばす。
肩幅ほどに足を開き、意識を研ぎ澄ませる。魔力を集中させ、そっと口を開いた。

「我…星霊界との道を繋ぐ者。汝……その呼びかけに応え、(ゲート)をくぐれ」

髪が揺れる。ルーシィの言葉の一つ一つで、魔力が解放されていく。
初めて見る光景に驚いた様子のナツとハッピーの視線の先、真っ直ぐ向けられた鍵の先端から光の鍵穴が生まれた。澄んだ音を立てながら、鍵穴は徐々に広がり、大きくなっていく。

「開け、小犬座の扉―――ニコラ!!!」

目を開けたルーシィの強い呼びかけに、一際強い光が放たれる。ばふっと煙が辺りを包み、どこからか鐘の音が響き、消えた。

「プーン!!!」
「ニコラー!!!!」

そして、そこに現れたのは―――何とも言えない、何とも断言出来ない生き物だった。
二頭身の体は白く、目はくりっと丸く黒い。下がった眉、嗤った口、犬っぽい(と思う)手足。尻尾はない。鼻がある位置には何故かオレンジ色の、角、だろうか。角なのか角っぽい鼻なのか、初見ではちょっと判断出来なか
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