小犬座の星霊
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オル一枚だとか関係ない。
怒りの形相でルーシィは飛び上がり、ナツとハッピーに回し蹴りを叩き込む。振るった右足はナツの頬を直撃し、そのままハッピーを巻き込んで壁に叩き付ける。
「だってミラから家決まったって聞いたから…」
「聞いたから何!!?勝手に入ってきていい訳!!?親しき仲にも礼儀ありって言葉知らないの!!?アンタ達のした事は不法侵入!!!犯罪よ!!!モラルの欠如もいいトコだわ!!!」
「オイ……そりゃあ傷つくぞ…」
「傷ついてんのはあたしの方よ――――!!!」
詰め寄るが、蹴られた頬を押さえるナツに反省の色はない。
「いい部屋だね」
「爪とぐなっ!!!ネコ科動物!!!」
その隙にハッピーはがりがりと音を立てて爪をとぎ出す。あっちで何か起こったと思えば今度はこっちと、休む暇がまるでない。
「ん?何だコレ」
「!!!」
ばさ、と音がした。慌てて目を向けると、机の上に出しっぱなしにしていた紙の束をナツが手にしている。びっしりと書かれた文字をナツの目が追いかけ始めた、と同時に。
「ダメェ―――――!!!!」
目にも止まらぬ速さで紙の束を奪い返す。取り返した拍子にくしゃりと皺が寄ってしまったが、そんな事に構っていられない。両腕でしっかりと抱きしめて、唇を噛みしめながら睨みつける。
「何か気になるな。何だソレ」
「何でもいいでしょ!!!てかもう帰ってよ―――っ!!!」
「やだよ、遊びに来たんだし」
「超勝手!!!」
これ以上何を言っても意味はなさそうなので、とりあえず紅茶は出してみる。
「まだ引っ越してきたばっかりで家具も揃ってないのよ。遊ぶモンなんか何もないんだから、紅茶飲んだら帰ってよね」
「残忍な奴だな」
「あい」
「紅茶飲んで帰れって言っただけで残忍…って…」
ブランドロゴがプリントされたTシャツと膝丈のパンツに着替え、髪をツインテールに結わえたルーシィが頬杖を付いてそう言えば、返って来たのはそんな言葉だった。怒りで怒鳴りたくなる衝動をどうにか抑える。
そんなルーシィの向かいに座るナツが、何かを閃いたように顔を輝かせた。
「あ!そうだ。ルーシィの持ってる鍵の奴等、全部見せてくれよ」
「嫌よ!!凄く魔力を消耗するじゃない。それに、鍵の奴等じゃなくて星霊よ」
「ルーシィは何人の星霊の契約してるの?」
「六体。星霊は、一体二体って数えるの」
言いながら、鍵の束を一つ一つ外しながら並べていく。鍵を見せるだけなら魔力を消費する事もないし、星霊達に興味を持ってもらえるのはいい事だ。
なんとなく色で分ける。銀色の鍵が三本と、金色の鍵が三本。そのどれもが違う形、違う紋章が描かれている。
「こっちの銀色の鍵がお店で売ってるやつ。時
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