ガンダムW
1602話
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基地の件から、俺を怪しむ者が出てこないとも限らない。
まぁ、バルジとMSという大きさの違いから、そう簡単に俺に向かって疑惑の視線を向けてくるかどうかは分からないし……何より、ここ最近OZの基地が襲われている時と同様に、俺にはアリバイがあるのだから。
「アクセル代表、何か意見の方は……」
考え事に熱中してしまったせいか、軍人の1人が改めて俺へと意見を尋ねてくる。
「ああ、悪い。どうすればいいのか考えていたんでな。ただ、どう行動するにしろ、今の俺達はあくまでもノベンタに雇われている傭兵だ。だとすれば、俺達が何か行動を起こすにもノベンタ達の意見を聞く必要がある。そっちの方はどうなんだ? 当然もう連絡をしたんだろ?」
「はい。ですが、いきなりの事ですので、ニューエドワーズ基地でも色々と混乱しているようで」
連合宇宙軍のトップのセプテムが地球にいるというのも大きいだろう。
本来なら、それこそセプテムが宇宙で連合軍を指揮してOZに対処しなければならなかった筈なのだが。
「なら、そっちが決まってからどうするかを俺に知らせてくれ。勿論何か行動を起こす時は別途凛と交渉して貰う必要があるけどな。……出来るだけ早く行動方針を示してくれる事を祈る」
それだけを告げると、司令室を出ていく。
サリィが何か言おうとしていたが、今はそれどころではないので聞き流す。
今回の件は猶予時間がまだ結構あるが……うん? 本当にあるのか?
通路を歩きながら、先程のレディ・アンの通信を思い出す。
基地に到着してから5時間……何でそんなに待つ必要がある?
レディ・アンの性格を考えれば、それこそ基地に到着した時までに返答をするようにと言ってきてもおかしくはない。
……だとすれば、何かあるのか?
なら、こっちも素早く行動に出る必要があるな。
「アクセル!」
通路を歩いていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
視線を向けると、そこにいたのは凛と綾子。
どうやら2人揃って俺を探していたらしい。
まぁ、非常警報が鳴ったんだし、シャドウミラーとしてはそれが正しい判断か。
「五飛とデュオはどうした?」
「一応格納庫に向かってる。……OZが攻めて来たんじゃないのか?」
「そうだな、それも間違ってはいない。とにかく、すぐにどうこうって訳じゃないから、一度俺の部屋に行くか。色々と相談したい事もあるしな」
その言葉に2人揃って首を傾げ……だが、それでも今はルクセンブルク基地で急ぐべき事態ではないと判断したのだろう。黙って俺の後へとついてくるのだった。
「って、大変じゃない、それ!?」
俺の部屋へと到着し、何故緊急警報が鳴ったのかの説明をすると、凛が驚きのあまり大声を上げる。
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