第3章:再会、繋がる絆
第87話「助ける」
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砲撃が再度展開された弾幕を相殺する。
リニスさん、母さん、父さんによる魔法だ。
「行って...!優輝さん...!」
ギィイイン!
僕に襲い掛かってきた触手を、目の前に加速して現れた奏が逸らす。
...それだけじゃない。遠くからいくつもの魔力弾が降り注いでいる。
あの術式はクロノだ。...皆が、道を拓いてくれた。
「....任せてくれ。」
広がった穴へと飛び込む。
同時に、ジュエルシードの魔力を迸らせ、靄のような瘴気を吹き飛ばす。
『っ....!』
「......。」
虚ろな目で佇む司さんと離れた位置で対峙する。
互いに周りにジュエルシードを漂わせ、淡い水色の光が隔離された空間を照らす。
紫色のこの空間は、さながらファンタジー物の異次元での最終決戦だ。
『ぁぁ...!』
「....!」
空間が歪む。...正しくは、そう見えるように魔力が揺らめく。
その瞬間に僕はジュエルシードを前面に向ける。
『ぁああああっ!!』
「っ....!」
“相殺せよ”と強く念じ、魔力が解き放たれるのに合わせて僕も砲撃を放つ。
祈りの力をジュエルシードで増幅させて繰り出した砲撃は、司さんの攻撃を相殺する。
『ぅぅぅ....!』
「くっ...!」
蹲るように司さんは頭を抱え、その周りを回るようにジュエルシードが高速で回転する。
そして、まさに弾幕のように砲撃や魔力弾が展開される。
「っ...!」
こちらも光の雨が降り注ぐのをイメージし、さらに剣も創造して繰り出す。
物量では未だに負けているため、相殺しきれないのは自力で躱す。
「(やはり偽物な上、数で負けているからか...!)」
所詮は僕が天巫女の力を真似ただけ。
暴走しているとはいえ、本物の力に真正面から勝てるはずもない。
『ぅ、ぁああ....!』
「っ...司さん...。」
...先ほどから司さんは、どこか苦しそうに頭を抱えてばかりだ。
拒絶するような言動も素振りもない。...ただ、苦しそうだった。
「....この程度じゃない...!」
襲い来る魔力を相殺できずに、僕はその場から飛び退く。
追撃の如く振るわれた触手はシュラインを使って上手く逸らして防ぐ。
「天巫女の力は、この程度じゃない!」
真似ただけの力。...それがどうした。
ただ“凌ぐ”だけなら、例え全てで劣っていても可能だ...!
「ぜぁっ!!」
祈りの力をジュエルシードで増幅し、それをシュラインに込める。
そして、飛んできた空間を歪ませる程の魔力を、そのまま切り裂く。
『っ....!
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