暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第87話「助ける」
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来るわよ!」

 障壁をも貫いた砲撃は、椿による霊力の籠った短刀で逸らされる。
 さすがに威力も激減していたらしい。...が、すぐに次の攻撃が来る。

「防ぐより躱す方がいいか...!」

「優輝!」

「っ、ぁああっ!?」

 閃光や魔力弾を躱すものの、いくらなんでも数が多すぎた。
 襲い来る触手を躱しきれずに、僕と椿は触手に防御魔法ごと吹き飛ばされた。





「っ.....!?」

 ...その時、確かに僕は見た。







   ―――中心部で、ジュエルシードを浮かべながら虚ろな目で僕らを見る司さんを。













「っ、ぐぅ....!」

「っぁ...!」

 最深部の空間から飛び出し、僕らは地面を滑りながらも着地する。
 だが、防御魔法越しとはいえ一撃を喰らったため、ダメージが大きい。

「ちっ...!」

 休む暇はない。追撃とばかりに襲い来る触手を逸らそうと、シャルを振るおうとする。

「はぁっ!」

     ギィイイン!

「葵...!」

 だが、その攻撃は葵が逸らしてくれた。

「優ちゃん!かやちゃん!無事...とは言えなさそうだね。」

「ああ...。」

 神降しが解けたのは僕らを見てわかっているのだろう。
 葵の表情には余裕がなく、焦っていた。

「(司さんを説得するにはもう一度最深部まで行く必要がある。だけど、それには...。)」

 神降し並とまでは言わないが、それに近い力が必要となる。

「........。」

「優ちゃん、どうするの?このままだと....。」

「...優輝?」

 黙っている僕に気づき、椿が訝しむ。

 ...神降しに近づける力は、ある事にはある。
 だが、その力は....。

「(他に何か...!)」

 その力を使うには神降しと同じく持続時間が短い...というより、持たない。
 だから、他に何かないか考え、“ある物”に気づく。

「...そうだ。僕は...僕らは助けに来たんだ。」

 “それ”に手を触れ、僕は気づく。僕の...僕らの心を蝕んでいた“モノ”に。

「...さっきまでは、僕に焦りや“まずい”と言った気持ちが溢れていた。」

 ...それは、詰まる所“負の感情”だ。
 そう、僕も...いや、おそらく全員が気づかない内に精神攻撃の影響を受けていたのだ。

「そんな気持ちを抱いていたら、救える“未来”は視えない!」

〈マスター...。〉

 リヒトも、今回ばかりは止めようとしない。
 これは、無茶をしなければ掴めない可能性だ。

「力を貸してくれ、シュライン!ジュエ
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