第3章:再会、繋がる絆
第87話「助ける」
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降しが解けたという事は、僕の力が落ちてしまったという事。
しかも、それは半分どころの話ではない。
そうなれば、いくら瘴気を削ったと言えど、司さんの暴走を抑えるのは...。
「っ、ぎっ....!」
バチィイッ!!
襲い来る閃光を魔力を纏った拳で何とか逸らす。
それだけでリヒトが展開していたグローブは破れ、僕は大きく後退した。
「くそっ....!」
すぐさま縄を創造して椿に巻きつけ、次に迫る触手を躱す。
少々乱暴な運び方だけど、我慢してくれよ椿...!
「ちっ...!」
ギギギギギィイン!
弾幕のように魔力弾が飛来する。
それを創造した剣で相殺しようとするが、一部は相殺しきれないため、身を捻って躱す。
「(神降しが解ける制限時間まで、大体20分は残っていた!それなのに解けたのは...力を使い果たしたからか!?)」
必死に攻撃を凌ぎながら、どうして神降しが解けたのか考える。
「(地球とは違う場所な上、この瘴気の量では神降しは保てなかった...って所が妥当か...。くそっ、さっきので神降しを保つ力を使い果たしたのか!)」
いくつかの攻撃を凌ぎきり、ほんの少しだけできた隙を使い、椿に霊力を送る。
そうする事で気つけ代わりになり、椿は目を覚まし、僕は縄を消す。
「っ...!(魔力収束...!まずい...!)」
すぐさま飛来した魔力弾を躱し、触手を逸らしている時に魔力が収束するのを感知する。
ギリギリ放たれた砲撃を躱す事はできたが、次に振るわれた触手は回避できなかった。
「っ、させないわ!」
「椿!?」
ダメージ覚悟で逸らそうとすると、椿が障壁を張って防ぐ。
触手が激突してもびくともしないその障壁に込められた力に、僕は驚く。
「神力...!?」
「まだ使える神力は残っていたのよ。でも、今ので最後。神降しが解けたと同時にほとんど失われてしまったわ。」
「そうか....っ!椿!」
椿の言葉に僕は納得する。
...しかし、所詮は一枚だけの障壁。
次々と放たれる攻撃を前に、障壁が持つ訳がない。
おまけに、再び収束する魔力を感じ、僕は椿の前に立って魔力結晶を取り出す。
「“ドルヒボーレンベシースング”!!」
閃光が放たれると同時に、僕が砲撃魔法を放つ。
魔力結晶を用いて放たれた砲撃は....閃光によって貫かれた。
「しまっ....!?」
「っ!」
バチィイッ!!
収束していた魔力は、わかってはいたが魔力結晶一つ分以上だった。
そこから放たれた砲撃など、相殺できるはずもない。
「助かった、椿...!」
「次、
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