第3章:再会、繋がる絆
第87話「助ける」
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けてくれれば...頑張って、優輝...!」
あともう少しだと願い、アリシアは優輝達の無事を祈った。
「っ、ぁあああっ!?」
「ぁああああああ...!」
一方、葵とリニスは余波をまともに食らい、十枚もの障壁と黒い剣はしばらく耐えたものの、砕かれて吹き飛ばされていた。
だが、そのおかげで二人は何とか大ダメージを喰らっただけで済んだ。
「っ...!葵さん、リニスさん...!」
そこへ、二人の防御のおかげで無事だった奏がやってきて、二人を保護する。
どうやら、余波で“殻”が一つ吹き飛んだらしい。
「わ、私はまだ動けます...。しかし、葵さんが...。」
「っ、ぐ...咄嗟に動けるのはあたしだけだったしね...。」
実は、障壁が破られて吹き飛ばされる瞬間、葵はリニスを庇っていたのだ。
リニスは障壁の維持のために動けなかったため、結果的に葵が霊力で身体強化してリニスを余波から体を張って守ったのだ。
「(今の余波でこの“世界”そのものに穴が開いた。大して損害が出ていないのは障壁で防ごうとした範囲だけか...。)」
「今回復魔法を掛けます...!」
「助かるよ...。」
ボロボロになり、リニスに回復魔法を掛けられながらも、葵は状況を把握する。
“負の感情”による瘴気で構成されていた闇の世界は、優輝達の攻撃の余波で穴だらけとなっていたのだ。
「(...最深部だけはほぼ無傷...中までは分からないけど。...それに、膨張してる...。外側がボロボロになったのもあれが影響している...?)」
葵は瘴気のように形を持たないモノで構成された世界の割にボロボロなままなのはおかしいと思い、規模を大きくした最深部の闇の塊を見る。
「...どの道、後は優ちゃんに託すしかない...か。」
「...優輝さん...。」
もうあの中には侵入できそうにないと、葵は優輝に全てを託した。
「....少し、いいか?....認識阻害による記憶改竄が、解けたようだ。」
「え....?」
そこへ、クロノが割り込んできてそう言った。
「認識阻害に割く力に余裕がないかは分からないが、僕も司の事は思い出した。...ヴィータ達も同じだろう。」
「そっか...。でも、今更変わらないよ。」
「ああ。...あれを見れば嫌でもわかるさ。」
あれほどの余波を起こしていながら無事な最深部の闇の塊に、クロノは冷や汗を掻く。
「...さすがに無傷とまではいかなかったみたいだけど、それでも穴がいくつか開いた程度...。一体、中はどうなっているのやら...。」
優輝が皆を庇うようにしたからか、葵たちのいる方面だけくりぬく線のように
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