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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
123部分:解かれた束縛と二人の賢者その四
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れどね。考えても仕方の無い事だけれど」
 フィーはそう言い残すと自分の持ち場へ向かいホークは騎士団を先導するべくセリス達の方へ向かった。皆それぞれの持ち場へ向かい天幕にはサイアス一人だけが残った。
 サイアスは暫くの間無言で天幕の外で低く飛ぶ燕を見ていた。だがやがて燕から視線を外し天幕に掲げられているシアルフィの大旗にヴェルトマー式ではなくシアルフィ式の敬礼をして天幕を後にした。その上の空は暗雲に包まれていた。
 ここに後に『コノートの戦い』と呼ばれる解放軍とフリージ軍の最後の戦いの幕が開いた。後世のユグドラルの歴史家達は先のレンスター〜アルスター間の戦いと共に解放軍のレンスターにおける重要な戦いであったと評する。ただ『レンスター〜アルスター間の戦い』が解放軍のレンスターにおける優位を決定付けたのに対しこの戦いは多分において政治的意味合いで重要な戦いであったとされている。この戦い以後解放軍の名声及び求心力はさらに高まっていったのに対しグランベル帝国のそれは完全に失墜した。今その運命の戦いの開幕を告げる角笛が鳴った。

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